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大きな女の子
第二章

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「僕がな」
「いえ、それはです」
「わかってるんかいな」
「はい、何故そうなったかは」 
 女の子が巨大化した原因はわかっているというのだ。
「既に」
「ほなそれをや」
「ところがです」
「その原因をどうにかするのがっていうんやな」
「そうみたいね」
 オニールだけでなくミッチェルも言ってきた。
「どうやら」
「そうした流れやな」
「これはね」
「はい、その通りでして」
 事務所の者も二人にこう答えた。
「ですから我々もです」
「困ってるのね」
「そうした次第です」
「それでその厄介な原因は何や」
「実はその娘はお友達と一緒に学校の遠足でこのカンサスシティ郊外の湖に行ったのですが」
「あそこの湖の中の島に呪術師の婆さんおったな」
 すぐにだ、オニールは言った。
「気難しいリザードマンの」
「その人がかけた呪いで」
「そうです、それでです」
「そうなったか、あの婆さんは気難しくて癇癪持ちで尊大で頑迷やからな」
「ベートーベンみたいな人ね」
 ミッチェルはオニールの老婆への評価を聞いてこう述べた。
「何か」
「実際にそやな」
「それはまたえらく困った人ね」
「とにかく短気でな」
「すぐにそうした術かけるのね」
 ミッチェルもこのことはわかった。
「怒って」
「そや」
「やっぱりね」
 ミッチェルもこれで納得した。
「そうした人なのね」
「それであんまりにも難しい性格で嫁姑の争いでもな」
「家庭裁判所行きのお話になったの」
「そや、それでな」
 そのうえでというのだ。
「今はそこで暮らしてるんや」
「世捨て人になったの」
「そやねん」
 実際にというのだ。
「これがな」
「それでその人が湖にいて」
「どうせ岸辺に買い出しに来た時に」
 まさにその時にというのだ。
「子供達が騒いでてな」
「子供なら普通よね」
「けどその婆さんそうした性格でな」
「子供達に癇癪起こして」
「それでやな」
 こう言うのだった。
「ここは」
「そういうことね」
「ほなな」
「そのお婆さんを説得して」
「子供の呪い解いてもらおうか」
「そうするのね」
「ですが」
 それでもとだ、また事務の者が言ってきた。
「ここ暫く湖の周りではモンスターが大量発生しているうえに」
「あの婆さんをどう説得するか」
「それが問題でして」
「正直難しいな」
「それが一番」
「ほんま強烈な婆さんやからな」
「ベートーベンを説得とか」
 ミッチェルはまたこの性格的には問題点も多かった音楽家の名前を出した、この性格の為とかく敵が多かったらしい。
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