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おっちょこちょいのかよちゃん
4 決戦の時は訪れた
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そうね。今日、その二人が来た時、杖を使ったんでしょ?」
「そうだよ。あの二人も私を狙ってるみたいなんだ・・・。それで明日の夜、私、あの二人と戦うよ・・・!!」
「そう・・・。かよ子。分かったわ。でも、これはかなり命を懸けた戦いになるわよ」
「私もそんな気がしてるよ。それでね」
 かよ子はあの二人の男子が介入すると聞いたら母は許さないのではないかと不安に思った。
「杉山君と大野君も一緒に戦ってくれるって言ってくれたんだ。お母さん、駄目かな?」
「そんな事ないわ。杉山君と大野君の家にも電話してみるわ」
「うん、でも二人を巻き込んで大丈夫かな?」
「大丈夫よ。かよ子にとって頼もしい相手じゃない。きっと勝てるわ。お母さんとお父さんも一緒にいるわ」
「うん、ありがとう!」
 かよ子の母は大野と杉山の家に電話を入れた。それぞれの母親はやや困惑していたが、二人の覚悟も強い事もあってかよ子の母を信じる事にした。
(杉山君達にどうしても迷惑かけられないよね。今からでも練習をしとかないと・・・!!)
 かよ子は昼のアンナとの対峙では炎を手にして炎の操る能力を手にして己の焼死を防いだが、次はどんな攻撃で来るか分からない。別の能力の使用法も理解しておかないとと思い、改めて説明書を読み直した。
(でも、どうしてこの本の字、私には読めるんだろう・・・?)
 かよ子はこの謎の文字が気になった。そういえばアンナとアレクサンドルは異世界から来たという。この杖と本も異世界のものなのか・・・。そしてかよ子の母が持っているという事は・・・。


 翌日、かよ子は途中、たまえにとし子と合流した。
「あ、かよちゃん!」
「たまちゃん、とし子ちゃん、おはよう。まるちゃんは?」
「いつもみたいに寝坊してるのかもね」
「そ、そうかもね」
「かよちゃん」
 たまえは昨日の話をしようとする。
「昨日は凄く活躍してたね」
「え?うん、ありがとう」
「杉山君も感心してたよね」
 とし子も窓からかよ子の戦闘の様子を見ていたのだった。
「うん・・・」
 かよ子はある事も思い出した。それはこの日の夜、決戦を行う予定なのだ。その場には杉山と大野も来る。もし負ければ此方の命はない。かよ子は緊張の(たかぶ)りを感じた。
(でも必ず勝たないと・・・!!)
 かよ子は昨日は杖を使って練習した。杖で庭の石に向け、石を岩のように大きくしたり、岩を転がしたりと石を操る能力も杖にはあるとわかった。
(この杖なら何とかできるよね・・・!?)
 かよ子は己の武器を改めて頼りにしていた。

 かよ子の母は隣のおばさんと話をしていた。
「かよちゃんが決戦ね。あの事件の犯人と」
「心配にはなってますけどクラスの頼もしい男子も味方になってくれてますから大丈夫だと思うんですが」
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