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魔法が使える世界の刑務所で脱獄とか、防げる訳ないじゃん。
第54話 謹慎? んなのどーでもよくね
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第一魔法刑務所に行って初日に謹慎処分を喰らった私は、現在街中を???
「あぁああああああめんどくせェ?? なんでオレがコイツの監視なンかしなきゃいけねェんだよ??」
橙条さんと歩いて居ます。

「大体、何で自宅謹慎じゃねェんだよ?? 何でクソ寒い外に出なきゃいけねェんだよ??」
「私は基本家に帰らないんです。だから家は今頃埃まみれだと思いますけど」
「だとしても暖房あるンだから家の方が良いだろ」
「家は暇なんです。外なら面白い事がそこら中に転がってますから。きっと、外に出た方が楽しいで」

「???きゃぁぁああああああああああ????」

狭い路地から出た瞬間、女性の悲鳴が聞こえてくる。
目の前には、横断歩道に突っ込んで行く大型トラックと、赤ん坊を抱いた女性の姿。

恐らく、悲鳴はあの女性のものだろう。

これだから外に出るのは楽しいんです。

「……お姉さん。怪我は無いですか?」
「へっ……? え、あの……」
「もう大丈夫です。此処は歩道ですよ」
「で、でも、私……トラックに轢かれて……」
「轢かれて居ませんよ? お子さんも無事です」

だって、寸前のところでしっかり助けましたからね。今は姫抱き状態にして、歩道で話して居ます。

「え……? あ、ああ……ありがとうございますっ?? あなたは命の恩人です??」
「いえいえ。目の前で起こりうる悲劇を見過ごすなんて、出来ませんからね。それに、こんなに可愛らしいお子さんだって居るんですから」

お姉さんを下ろしてから、お姉さんが腕に抱く赤ん坊に、魔法で飴を出してあげて、それを差し出す。赤ん坊は嬉しそうにそれを取って、「あいがと!」と満面の笑みを浮かべる。癒し。

「気を付けてくださいねー!」
「ありがとうございました……??」

手を振りながら、お姉さんが去って行くのをぼんやりと眺める。

「てめぇ……クソ馬鹿だよな」
「マフィアの一員でも人間です。目の前で死にそうな人を見過ごす訳には行きません」
「人殺してンのに?」
「静かにして下さい」


◇ ◇ ◇


「ふんふふんふふ〜ん♪」
「随分と機嫌が良いじゃねェか。ただ歩いてるだけなのによォ」
「歩き疲れたら言ってくださいね。因みに、私は全く疲れて居ません!」
「オレだって疲れてねェよ?? 要らねェ心配すんじゃねェ??」
「分かりましたよー。で、機嫌が良い理由は、面白い事が起こりそうな気がするからで」

「わぁあああああああああ?? どいて、退いてくださいぃぃいいいい??」

横からそう叫び声が聞こえた時には既に遅かった。
思いっ切り横から追突され、横に倒れる。

「いてて…
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