暁 〜小説投稿サイト〜
ロックマンX〜Vermilion Warrior〜
第144話:Devil
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「っ…てめえ…」

「いい格好だな。忌々しいプロトタイプの小娘よ」

「シグマ…生きていやがったのか…いや、ウェントス達が動いているならお前がいてもおかしくねえか…」

ルナは壁に立たされていた。

手首を掲げられ、拘束されている。

身体は中途半端な治療のみ施されているために、少しでも動こうとすれば激痛が全身を苛む。

身じろぎすると両手首に巻かれた鎖が音を立てた。

ルナの瞳が憎悪に燃え、その熱い輝きがシグマに笑みをもたらした。

「クク…この戒めが憎いか…?お前が乞えば外してやらぬでもないぞ?」

「ふん…笑わせんじゃねえよ…誰が、てめえなんかに……」

全身が激痛に苛まれても構わずにルナは吐き捨てるように、普段からは想像出来ない程の低い声で脅すように言い返した。

「殺せよ。俺はてめえに命乞いするほど堕ちちゃいないんだ…てめえに命乞いするくらいなら…死んだ方がマシだ……あうっ!!」

シグマの大きな手がルナの細い首を鷲掴み、首を絞められたルナは呻き声を上げる。

ギリギリと締め上げる音に比例して、ルナの呻きがか細くなっていく。

「態度だけは立派だが…利口ではないようだな。人間とレプリロイドの狭間の存在であり、新世代型のプロトタイプよ…お前程、不安定な存在など存在しないであろうな。人間でもなければレプリロイドでもない。その上、新世代型のプロトタイプと言う立場はこの世界に置いてどこまでも歪みな存在だ」

「っ…うるさい…!!うるさいうるさい!!……プロトタイプなんて呼ぶんじゃねえよ…!!」

ルナはまだ、新世代型レプリロイドが反乱を起こしたことは知らないが、地上で不穏な出来事が起きていることは何となく理解出来た。

そしてそれが目の前の男が原因だということも。

シグマ…己の私欲のために友人達を死に追いやった憎き仇である。

やはりシグマウィルスの不死性はいくら弱体化しようと凄まじく、先の大戦でアクセルが倒したはずのシグマは復活していたのだ。

暗がりに映る紅いマントは血の色を連想させ、不気味でゼロの紅とは違い、汚らわしく、忌まわしく、悍ましい紅である。

悪しき紅を纏うシグマは、邪悪な笑みを浮かべると、ルナの首を絞める手を開く。

「そうだな……お前はただのプロトタイプではないな……」

「うぐっ!!」

いきなり解かれた戒めにルナは床に倒れると激しく咳き込む。

苦痛は徐々に和らいでいき、意識が遠退いて砂嵐がかかった視界は段々と明瞭さを取り戻していくが、まだ息は荒いままだ。

拘束し、生殺与奪の権利を得たシグマは、肩で喘ぐルナを冷たい笑みで見つめていた。

「人間素体型のレプリロイドは人間と同じく成長の力を持つが、人間素体型で新世代の力を不完
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