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魔法が使える世界の刑務所で脱獄とか、防げる訳ないじゃん。
第一部
第52話
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苦しいではないか」と。

「琴葉は今までずっと其の責任を背負い乍ら仕事を全うして来た。だからきっと、琴葉なら……自分の過去と向き合い乍ら、一生懸命生きる筈だ。だからマフィアの記憶を残しておけばいい」
「琴葉はしっかりとした意思を持っている。だから、此の束縛された世界は似合わない。彼女が大切だからこそ、彼女には自由になって欲しいのだ。だから、刑務所の記憶を残しておけばいい」

話し合い???否、言い合いは二時間に渡って続いた。

そして、彼は言った。


「琴葉はやっぱりマフィアの記憶を残しておけば良いと思う。でも、マフィアに置きたくはない。だって、琴葉には心の底から笑って欲しいから。あんたが駄目って訳じゃ無いけど……俺の方が、琴葉を笑わせてあげられる……と思、う……から、琴葉を俺に下さい。そしたら、またゼロから思い出を作れば良い。何回忘れたって、何回でも作れば良いからさ」


彼???レンは。


「流石にあの台詞には驚いたよ。其れまで悩んでいた私も即決だった。彼女の第一魔法刑務所での記憶を完全に消し、そして彼女の(マスター)である資格も、彼に譲った。だからかも知れないけど、今、琴葉は看守と、囚人に囲まれて居るけど、決して攻撃しない。多少は反抗したとしても、あの場から逃げ出さない。彼等との記憶は、マフィアビル内の出来事以外、綺麗サッパリ無くなって居るのに」
「……琴葉様は、共に過ごして来た記憶がある僕達では無く、共に過ごして来た記憶が無い彼等を選んだ、と言う事ですか?」

何か感情を押し殺した様な声で、仁は問うた。
其の感情を理解してか、湊は窓辺を離れ、静かに部屋の扉を開ける。

「違うよ」



































琴葉は、自由を選んだだけさ。



































◇ ◇ ◇


「行っちゃったねー……」
「行ったねー……」
「行きましたねー……」

「「「琴葉ちゃん/様」」」

琴葉の執務室だった場所に集まって、窓の外を眺めながら彼等は呟いた。

「折角、オレも琴葉ちゃんとレンの監視任務が終わって、マフィアに帰ってこれたと思ったのになぁ」
「君の権限なら監視なんか行く必要ないでしょ? なんで監視に行ったの?」
「お、真冬さーん、聞くー? 確かにオレは、傷口から自分の権限に因る魔法を体内に流し込む事で、其奴の精神をコントロール出来るし、其れに因って何処で、何をやっているのかが分かっちゃうんだけどさ
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