継承
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<ロマリア>
「おぉ!さすがは勇者一行!よくぞ取り戻してくれた!」
アルル達はロマリア城へ入るなり、謁見の間まで急かされる様に通され、今は王様よりお褒めの言葉を賜っている。
「お褒め頂き恐縮です。しかしカンダタ本人は逃してしまいました…申し訳ございません」
「よいよい…女性を助ける為に已むなしと聞いておる!」
「随分と詳しいッスね!?見てたんですか?」
リュカの不躾な質問に、王は笑って答える。
家臣の方々は不愉快極まりない顔をしている。
「お主等が助けた女性から聞いたのだ。窓の外に縛り吊されてた者だ。憶えておるだろ?」
「お元気ですか?」
「うむ。お主に感謝しておったぞ!」
リュカは嬉しそうに頷く。
「……褒美の件だが…話をまとめると、リュカ…お主一人の力で、なし得た様に思えるのだが…」
「そんな事ないッス!みんなの協力でなし得た事ッス!」
「殊勝な事だ。だが、お主が盗賊団を壊滅させたと、報告がきておるのだよ!」
「その通りです陛下!私達は一緒にシャンパーニの塔まで行きましたが、何も出来ずにいました!彼一人の功績です!」
珍しくリュカが辟易している事に、アルル達は少し楽しんでいる。
「ではリュカに褒美を取らせよう!」
ロマリア王は嬉しそうに立ち上がり宣言する。
「リュカ!お主にロマリア王国の王位を譲ろうぞ!」
…………………………
「あ゛!?何言ってんの?大丈夫?」
アルル達も臣下の者達も言葉が出ない中、リュカだけが無礼極まりない発言をする。
「うむ…もうちょっと分かりやすく言うとだな…リュカ、お前が王様って事だよ!わっはっはっはっ」
「陛下ー!!何を仰います!?王位をこんな下賤な旅人にやるなど!」
「私の見る目に間違いはない!リュカならこのロマリアを良い国にしてくれる!」
「し、しかし…「これ以上臣下の身で文句を言うのなら、相応の罰を与えるぞ!」
罰と聞き黙り込む臣下の人々…
「ちょ、待てコラ!僕はOKしてねぇーぞ!」
100%不敬罪です。
「何だリュカ…断る理由はあるまい!王になれるのだぞ!」
「自由気ままな旅人と制約いっぱいの王様…う〜ん、僕迷っちゃう。って、ちげーよ!嫌だよ、断る!誰が王になんぞなるか!」
「何ゆうてんの!?王様やで!!絶大な権力やん!」
「あのねエコナ…権力には責任が付いて来るんだよ!権力が大きければ大きい程、責任も大きくなる。自由気ままに生きる方が幸せなんだよ!」
「益々気に入った!お主は王の有り様を心得ている!やはり私の目に狂いはない!リュカよ、お前にこの国を任せたい!是非、王になってくれ!」
(現)ロマリア王はリュカの元まで近付き、両手を握り締めて王位継承を進める。
「絶対ヤダ!冗談じゃない、今僕は幸せなんだ!そ
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