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英雄伝説〜灰の騎士の成り上がり〜
第8話
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つめていた。

「フ、フン!敵だった者の為にメンフィルの皇族と近しい関係にある妹に頼るとはやはり甘い男ですわね!」
リィン達の様子を見守っていたデュバリィは鼻を鳴らして呆れた表情でリィン達に指摘したが
「フフ、そんな事を言っているけど、貴女も”黒兎(ブラックラビット)”を自分の手で捕える事ができれば、”灰色の騎士”のようにマスターに彼女の身の安全を頼むつもりだったのだからお互い様じゃない♪」
「ふっ、貴賓区画に突入した時はまさにその二つ名通り”神速”のような速さで全ての部屋を見て回っていたな。」
「や、やかましいですわ!」
エンネアとアイネスに茶化されると必死に反論し、その様子を見たリィン達は冷や汗をかいて脱力していた。

「ハハ…………今回の戦、デュバリィさん達には悪いが、アルティナの捕縛と今回の戦の大手柄であるルーファスさんの討伐は俺達が取らせてもらった。アルティナの件をわざわざ教えてくれたのに、それを横から掠め取るような事までして悪いとは思っているが…………」
「別に私達に謝る必要はありませんわ。公平な勝負の結果なのですから、それを否定するような愚かな事はしませんわ。」
「それに私達もクロスベル侵攻軍の”副将”の討伐とブリッジの制圧という手柄があるから、私達は私達で手柄があるから、あまり気にしなくていいわよ。」
「ルーファス・アルバレアの行動を読んだ上での待ち伏せと撃破…………―――見事だった。さすがは我らが”好敵手”と認めた者達だ。」
我に返ったリィンはデュバリィ達に近づいて声をかけ、リィンの謝罪に対してデュバリィは静かな表情で答え、エンネアは苦笑しながら浮かべながら答え、アイネスは口元に笑みを浮かべてリィン達を称賛した。
(うふふ、この戦争でご主人様がどれだけ素敵な男に成長するのか、楽しみね♪)
(はい…………不謹慎ではありますがこの戦争でリィン様は間違いなく様々な意味で大きく成長なさるでしょうね…………それこそ、かつてのお父様のように………)
一方リィン達の様子を見守っていたベルフェゴールの念話にベルフェゴールの隣にいたメサイアは頷いた後微笑ましそうにリィン達を見つめていた。

こうして…………エレボニア帝国による再度のクロスベル侵攻は失敗に終わり………エレボニア帝国はルーファスを含めた数人の貴重な優秀な人材に加えて、クロスベル侵攻に従軍した正規軍、領邦軍の兵士達を失うという大損害を被ることになった…………

また…………リィンは今回の戦の大手柄であるルーファスの討伐を評価されて、17歳という若さでありながら”少佐”へと昇進した――――

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