暁 〜小説投稿サイト〜
雲は遠くて
151章 米津玄師の、子どもの頃の自分に向けての手紙
[3/3]

[8]前話 [9] 最初 [2]次話
米津玄師(よねづげんし)もこの手紙の最後には、子どものころの自分に向け

『あなたの思想、理念、美意識に今も共感します。
どうかこれからもぼくを遠くの方へと導いてください。よろしくお願いします。』っ
て書いてますけど、
芸術をやっていくにして、普通に生きるにしても。
やっぱり子どものころの、まっすぐな気持ちや清らかな感性や大きな夢とかっ
て、
大切なんだなあって、米津さんみたいに私も思うんです。
ねえ、美結さん、利奈ちゃん、そうですよね。あっははは」

 詩織は美結と利奈にそう言うと、明るく笑った。

 下記は、米津玄師(よねづげんし)の、
『子どもの頃の自分』という『もうひとりの自分』に向けての手紙、800字ほど
の全文。

お元気ですか?最近あなたのことをよく思い出します。
あなたに比べてぼくはいくつか大きくなって、色々とできることが増えました。
さらにいい曲が作れるようになったし、他人の言っていることも理解できるよう
になりました。
そう言われるとあなたはどう思うんだろう?誇らしく思うのか、それとも悔しいと
思うのか。

今ぼくは概ねあなたの予想した通りの未来にいると思います。
バンドという形ではないものの、
あなたがこうでありたいと願ったことはなかなか叶えられているんじゃないか
な。
まだ途中段階ではあるものの、ぼくとあなたならきっと全部上手くいくでしょう。
あなたは「誰かの思い通りに動いてなんかやるものか」という怒りで日々生き
ていたので、
ぼくがこう言えばまた少し違う角度に歩いて行ってしまうかもしれませんね。

「いつか大人になって過去を振り返ったとき、
今の子供の頃の自分を馬鹿にするようなやつになってませんように」
と願っていたのをよく憶えています。
今まさに大人になったぼくは、あなたの望み通り、やっぱりあなたを誇らしく
思っています。
自分の能力を疑わず、日々怒りと不安に身を委ね、ヘラヘラと笑みを顔に張り
付けていた
あなたをとても美しいと思います。

あなたの思想、理念、美意識に今も共感します。
どうかこれからもぼくを遠くの方へと導いてください。よろしくお願いします。

☆参考文献☆

Cut 2017年9月号 ロッキングオン

≪つづく≫ --- 151章 おわり ---


[8]前話 [9] 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ