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星河の覇皇
第七十部第四章 賊達への攻撃その二十八

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「有り得ることですね」
「むしろだ」
「各国政府からの反発がありますね」
「どうしてもな」
「今彼等は機を伺っていますね」
「ここで攻めるべきか」
 各国政府に対してとだ、キロモトは言った。
「やはり」
「いえ、それをするだけの力は」
「今の我々はないか」
「そろそろ限界点です」
 八条は政局を冷静に見据えてキロモトに述べた。
「我々にとって」
「あまりにも得点を稼ぎ過ぎたか」
「それ故にです」
「これ以上攻めることが出来ないか」
「言うならば今の我々はかなり進出してです」 
 戦線に例えての言葉だった、国防の責任者らしく。
「戦線がかなり延びてしまい」
「攻撃の限界点に来た」
「その辺りか間もなくその状況に至ります」
「それではだな」
「これ以上攻めてはです」
「戦線が崩壊するか」
「ですから今はです」
 八条はキロモトにさらに言った。
「戦線を維持することが必要かと」
「攻めるよりはか」
「はい、占領地の足場を固め」
「では、だな」
「守りに入るべきです」
「政治もまた攻めるだけではないか」
「攻守があります」
 戦争と同じく、というのだ。
「さらに攻める為にです」
「止まり守ることも大事か」
「そうかと」
「実は首相もそうしたことを言っていた」
 キロモトを第一に補佐する立場であるアッチャラーンもというのだ。
「ここはだ
「攻めるのではなくですね」
「成立させた政策の基盤を固めるべきだとな」
「首相もそうお考えですか」
「そして君もだ、ではな」
「それではですね」
「その言葉の通りにしよう」
「では」
「ここはだ」
「はい、足場を固め」
「そしてだ」
 まさにというのだ。
「次に移ろう」
「守りを固めてもです」
「そこからだな」
「各国政府は攻勢に転じます」
「それからどう守るか」
「それが肝心になります」
「流石に外縁部の政策や中央政府軍には文句を言わないだろうが」
 この二つについてはとだ、キロモトは自身の読みを述べた。
「どちらも彼等にとって有益だからな」
「それも実に」
「外縁部は彼等の領土になる」
「それで実りをもたらしてくれます」
「だから反対しない」
「中央政府軍は当初反対されましたが」
 各国政府そして分権派の中でも強硬派がだ、国で言うとアメリカ、中国、ロシア等が強く反対していた。それを中央政府は彼等の勢力を抑えたい日本の協力も得て各国の政界の有力者のスキャンダルを握ることもして大人しくさせたのだ。
「しかしです」
「軍事費は中央政府持ちになったからな」
「その分彼等の軍事費は大幅に減り」
「予算を他の分野に向けられる様になった」
「ですから」
 それでだったのだ。
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