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ある晴れた日に
2部分:序曲その二
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序曲その二

「恵美、茜ちゃん」
「んっ!?」
「呼んだ少年」
 今の明日夢の呼び声を聞いてそれまで部屋の端で話をしていた二人の女の子が明日夢の方を見てきた。一人は黒いストレートのロングヘアに大人びたしっかりとした顔立ちの少女で青いブラウスにやはり二人と同じスカートだ。ネクタイやカーディガンの類は着けていない。
 もう一人は黒いポニーテールの女の子で背は普通位だ。にこにこと笑った少し細い顔をしている。明るい感じだ。白いブラウスにネクタイ、それにスカートに似た赤い色のベストだ。二人共明日夢達と同じくスカートの丈はかなり短い。どうやらこの学校の制服のデザインらしい。
「呼んだよ、こっち来て」
「その娘達に挨拶かしら」
 背の高い女の子が明日夢に声をかけてきた。
「そうよ。同じクラスみたい」
「みたいじゃなくてそうだよ」
 春華が明日夢に言う。
「同じクラスじゃねえか。だからここにいるんだろ?」
「それもそうか」
「そうだよ。しかしあんた」
 ここで春華は明日夢に言う。
「仇名少年なんだな」
「そうよ。顔がそんな感じって言われてね」 
 少し面白くなさそうな顔になる明日夢だった。
「塾の先生に名付けられたのよ」
「そうだったのかよ」
「あ、それでね」
 明日夢は自分の横に来たその二人の女の子を手で指し示して語る。まずは背の高い女のを指し示していた。
「安橋恵美ちゃんよ。喫茶店マジシャンレッドの娘さん」
「ああ、あの喫茶店ね」
「時々入るわよね」
「そうそう」
「そういえばあんた達見る顔ね」
 その恵美が春華達を見て明日夢と同じようなことを述べた。
「うちのお店で」
「そういうあんたも」
「何か顔見知りばかり」
「それでね」
 明日夢の説明が続く。
「こっちが高山茜」
「宜しくね」
 ポニーテールの女の子が右手を振って六人に挨拶をする。
「まさか西と東でこんなに固まるなんて思わなかったけれど」
「そうだな。じゃあこっちはな」
「竹森未晴」
 黒い髪をロングにしているが恵美のそれとは違い波だっている。顔は穏やかで物静かな印象を与える。二重の多少切れ長の目は少し垂れ気味で黒く少し細い眉がそれに重なっている。唇は小さく赤い。鼻は高くそれが彼女の顔立ちをさらに印象付けていた。白い顔にそれと同じ白いブラウス、紺のベストに同じ色のリボンである。背もあまり高くなく六人の中では比較的地味な印象を受けるような女の子だった。
「宜しくね」
「ふうん、未晴ね」
「ええ、何かぱっとしない名前だけれど」
「別にそうは思わないよね」
「ええ」
 明日夢と恵美が顔を見合わせて言い合う。
「いい名前じゃないの?」
「私もそう思うわ」
 今度は明日夢と茜が言う。少なくとも三人は彼女の名前にこれとい
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