猫娘と回想、I・アイランド編
NO.108 回想《13》 制御プログラム正常化
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る未来しかないんだよ。着いてきてもらおう」
「パパ!!」
「うるせぇんだよ!!」
「ああっ!」
メリッサが思わずデヴィットのところに走ったが、ウォルフラムによって容赦なく頬を殴られてしまっていた。
「メリッサ!!」
「お前は寝ていろ」
「グッ!?」
そのまま気絶させられるデヴィット。
そして「連れていけ」と幹部に命令している中で、
「返して!」
「ん……?」
「パパを、返して……!!」
そこには必死に訴えているメリッサの姿があった。
それを見てウォルフラムは少し考えて、
「そうだなぁ……未練は、断ち切っておかないとなぁ……」
「ッ!?」
メリッサに向けて銃口を構えるウォルフラム。
万事休すかと思われたその瞬間に、
「やめろーーーーーーッ!!」
今の今まで鉄の塊の中で脱出しようともがいていた出久が鉄を破壊してウォルフラムへと拳を構えて突っ込んでいく。
だがすぐさまにウォルフラムは鉄の壁を展開して出久の拳を阻む。
しかし、出久もただでは終わらない。
メリッサに顔を向けて目で訴えた。
「(博士達は助けます! だから僕が足止めをしている間に、みんなを!!)」
と。
その出久の意思を感じ取ったのかメリッサは頷きをして制御ルームへと走っていく。
させまいと幹部が走ろうとするが、出久が何度も壁を跳ねて入口へと立ち塞がって通せんぼをする。
「いかせない!!」
「ちっ……ガキで、しかも女のくせに度胸だけはあるじゃねーか……それじゃもう一回潰れていろ」
ウォルフラムがまた鉄を操って出久へと向けて射出していく。
鉄柱に潰されそうになるのを必死に怪力で抑えている出久。
ただ思う事は一つ。
メリッサのもとへは行かせない。
オールマイトを、みんなを、助けるんだ!
その思いが出久を振るい立たせていた。
そして制御ルームへと必死に走るメリッサ。
デヴィットの事はもちろん、出久のことも、裏切ったサムでさえも心配しながらも、泣きそうになるのを必死に我慢しながらも、めげずに走る。
その姿は決してかっこいいものではなかった。
しかし、それでもみんなのために必死になれる人の姿がありありと映されていた。
「(デクちゃん! それにみんな! 必ず、必ず助けるから!!)」
その思いとともについにメリッサは制御ルームへとたどり着いて、即座にキーボードに再変更プログラムを高速の速さで打ち込んでいく。
次々と書き換えられていくプログラム。
それは数分もかからずに修復していき、次々と異常を示していたモニターが正常な機能を取り戻していく。
そして完全に制御を奪い返したメリッサ。
それを最後まで見届けたメリッサは顔を上げて、
「デクちゃん! みんな!」
い
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