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ある晴れた日に
15部分:序曲その十五
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序曲その十五

「それって爆弾発言なんじゃ」
「あれっ、そうか」
「そうよ。未晴がかえって」
「悪い悪い。とにかくよ」
 謝ってからまた正道に顔を向けて言うのだった。
「流石に今はやばいだろ。もうちょっと空気読めよ」
「空気なんかに捉われないのがロッカーだけれどな」
「こういう人ってたまにいるわよね」
 咲が呆れた声で言う。
「悪い人じゃないみたいだけれど」
「つまり馬鹿だってことだよな」
 春華はここで口が悪い。
「こいつは」
「俺は馬鹿かよ」
「あたしはそうとしか思えないけれどな」
 はっきりと正道に顔を向けてまた言うのだった。
「いきなり御前の為に歌うってな。あんたは愛と誠の岩清水かよ」
「御前も随分古い漫画知ってるな」 
 今度は正道が呆れる番だった。こう春華に言葉を返す。
「そんな漫画よく知ってたな、おい」
「こいつの兄貴があの原作者のファンなんだよ」
 言いながら右の親指で静華を指差す。
「兄貴が空手やっててな。黒帯なんだぜ」
「私もやってるけれどね」
 静華自身も微笑んで言う。
「一応初段よ」
「そうか。本物なんだな」
「高校でも空手部に入るつもりだけれどね」
「空手部か」
「けれどね」
 ここでふと困ったように溜息をつく静華だった。
「ちょっとねえ。どうしたものかしら」
「どうしたって何が?」
「入りたいなら入ればいいんじゃねえの?」
「なあ。そうだよな」
 正道の後ろから桐生と野茂、坂上がやって来た。そうして静華に対して言うのである。
「黒帯だったら実力もあるしさ」
「向こうからも願ってもないだろ」
「それで何で迷ってんだよ」
「最近柔道の方がいいだろなんても言われるのよ」
 その困ったような顔でまた述べるのだった。
「胸を言われてねえ」
「実はこれで小学校の時陸上から空手になったのよ」
 彼女の横から凛が微笑んで述べる。
「折角二人ではじめたのに今じゃ私が陸上で静華が空手。それで今度は柔道?」
「できるなら空手でいきたいわ」
 静華の偽らざる本音であった。
「空手好きだし。胸も大き過ぎたら困るのよ、実際」
「それって羨ましいんですけど」
 咲はわざと意地悪そうに言ってきた。
「咲なんて背はあまり高くないし胸は静華みたいに大きくないし春華や凛みたいにスタイルいいわけでもないし奈々瀬みたいに可愛いわけでもないし未晴みたいに奇麗でもないし」
「けれどあんた彼氏いるじゃない」
 その奈々瀬が彼女に言う。
「それに咲だって可愛いわよ」
「そうかしら」
「女の子らしくてね」
「っていうか御前かなり乙女チック過ぎだろうがよ」
 今度出て来たのは野本だった。
「まさかと思うけれどよ。ピンクハウスなんか着てるんじゃねえよな」
「おっ
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