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ペガサスを探して
第五章

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 毛を大事に袋に入れて収めてからだった。ズーと共に山を下りた。プノンペンに帰るまでも敵は多かったが。
 それでも術を使って敵を倒していってだった。
 プノンペンに戻って少女の家を訪問して毛を渡してだった、琵琶の弦を交換させて試しにその琵琶の演奏で歌わせてみた。するとだった。
 美声で見事な歌唱が聴けた、チュットはその素晴らしい演奏と歌声を聴いてからズーと共ににこりと笑って述べた。
「これなら問題なしや」
「はい、この度は有り難うございます」
 少女はチュットにお礼を言ってだった、彼女とズーに自分のお小遣いを貯めていたものを全て渡した。二人はそれはと断ろうとしたが少女もお礼はしなければならないと何度も強く言ったので二人も少女に押されて遂に受け取った。
 こうして二人の仕事は終わった、その後でだった。
 チュットはズーと共に居酒屋に入って食べた、そのメニューはというと。
 豚肉と呂苦闘にちまきオンソーム=チュニーク麺類のクイティウに鶏料理のチャー=クニェイ、マンゴーのサラダのチョロック=スヴァーイと豚肉と鶏肉、ゆで卵をカラメルソースで煮たコーそしてデザートにココナッツミルクを使った餅クロラーン、そして米の酒だった。そうしたものを楽しんでいると。
 チュットの手に白い小鉢が出て来た、チュットはその小鉢を手にしてズーに話した。
「白玉小鉢やね」
「西遊記で水伯が持っていた」
「あれや」
「確か水を自在に操れる」
「その力があるもんやったな」
「それが貴女の新しい神具ですわね」
「そう心の中で言われてるわ」
 今しがたというのだ。
「これは凄い神具やで」
「水を自在に扱えるなら」
「水は火より強いしな」
「恵みのものでもありますし」
「またええもん手に入ったわ」
「左様でありますわね」
「しかもな」
 チュットは麺をすすりつつズーに話した。
「私自身もな」
「神託を適えまして」
「これまでよりもな」
 神託に向かう前よりもというのだ。
「一回り強くなったわ」
「全ての力が」
「そうなったわ、ほなな」
「これからはですわね」
「この三つ目の神具と強うなった力で」
「世界を救っていきますわね」
「そうするわ、けど今はな」
 今度は酒を飲んだ、そうしてその味と酔いを楽しみつつだ。ズーに言った。
「飲んで食べて」
「英気を養いますわね」
「そうしよな」
 こう言うのだった、だが。
 チュットは先を見ていた、世界を救う為にだ。そのうえで今は酒と料理を楽しむのだった。カンボジアのそれを。


ペガサスを探して   完


                  2019・3・25
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