暁 〜小説投稿サイト〜
人理を守れ、エミヤさん!
涙を誘われる士郎くん!
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郎は女神を既に捕獲している……アルテミス以外の神霊を。それが何者なのかはさておくとしても、可能なら救出しておきたい。心情的にも合理的にも。

 頭の隅にそれを入れておきながら、士郎はふと思い出して問い掛けた。

「そういえば、ダビデ王はソロモン王の父親だったよな」
「ん? そうだね」
「ウチにソロモンがいるんだが。それについて何か言う事、聞きたい事はないか?」
「え? ソロモンがカルデアにいるのかい? ふうん……で、それが? 言う事なんかないけど。後それを僕に言う意味も分からないな」

 ナチュラルにクズい発言が出た。えぇ……と思わず通信機に映っているロマニの顔を見る。

「あ、そうですか……」

 おいロマニ、お前は何かないのか? 一応父親だろ? そう小声で問い掛けると、ソロモンことロマニもまた真顔で言った。

『え? ボクに父親なんかいないんだけど。母にバト・シェバがいるだけで、彼女についても特に親しみを感じないね。だってそんな自由がソロモンにはなかったから』
「……」

 完全に無関心である。冷淡とすら言える表情であった。そこに士郎は冷め切る以前に、そもそもなんの関係もない赤の他人を見るような温度を感じて、軽く眩暈がする。
 伝説で知ってはいたが、ダビデの野郎、本気で親としてアレらしい。いや、仕方ないと言えば仕方がないのかもしれないが。というよりダビデは割と人間として屑な真似もやらかしてるが……。
 まあ接してみた感じ、元々の女好きな気質と、王という立場に対する過度なストレスで色々参っていただけというふうにも見える。根っからの外道でも屑でもないはずだ。軽薄なきらいはあるがそれはいい。個性というものだ。

 まあ人様の家庭関係、しかも英霊となって過去として終わったものをほじくり返す趣味はない。
 俺は彼らの関係について触れるのはやめようと思った。いつかダビデ王と会うような事があり、伝説にあるような人間だったら、ロマニに対して「やーいお前のとーちゃんダービデっ!」と煽ろうと考えていたが、それはしない事にした。どう考えてもネタにしていい話題ではない。
 ロマニはネタにされても気にしないだろうが、やはり本人が気にしてないからと踏み込んでいい理由にはならないのだ。

「なあ、ダビデ。俺はお前の希望通り王としては扱わない。羊飼いとしての――個人としてのお前に訊きたい」
「なんだい? そんな改まって」
「俺達はまだヘラクレス野郎しか見てないが、他に敵サーヴァントを見なかったか? 正体が割れると助かるんだが」

 そう問うと、彼は真剣な顔で答えてくれた。

「敵ではあったけど、僕を助けてくれた槍兵はいた」
「……なんだって?」

 衝撃的な告白に、目を瞠る。彼は告げた。

「流石の僕でもヘラクレ
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