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蒼穹のカンヘル
四十六枚目
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この学校の理事は悪魔だ。

それもグレモリーの息のかかった。

っていうか、サーゼクスが理事長だ。

生徒のデータくらい集められる。












サーゼクスに頼んで柊深瑠璃のデータを集め精査してみたが、特におかしな事はなかった。

俺達の二個上の学年で、女子ボクシング部のエース。

ただ、親元を離れてひとりで駒王町に引っ越してきたらしい。

「ふむ……」

そこで、レイナーレがロストで書斎に入ってきた。

「ご主人様。報告よ」

「ん? なんか進展あったの?」

「進展かはさておき、柊深瑠璃だっけ? あの子襲われてるわよ?」

「はぁ?」

カラワーナの居るポイントにロストで転移すると、真下で本当に柊深瑠璃が戦っていた。

相手は五体の蛇人間。

探査術式をかける。

「なんだ。ダークビーストじゃないか」

「「ダークビースト?」」

「ん? ああ、俺らの管轄じゃねぇもんなアレ……。
簡単に言えば、暴走してる人造生命体だ」

ダークビースト。

意思ある生命を契約によって従える使い魔ではなく、魔術師達が作ったミニオン(使い魔の人造生命体)が暴走した物だ。

若い魔導師が身の丈に会わない素材を使った時に生まれたり、後は魔術師が死んで残されたり、とかな。

「見たところ、下級だな。頑張れば中学生でも倒せるレベルだ」

柊深瑠璃は木刀でダークビーストと戦っている。

一撃で吹っ飛ぶが、すぐ戻ってくる。

「なるほど魔法少女云々は力が欲しかった訳だな」

「どうするんだご主人様」

「なーに。少し手を貸してやるだけで終わる」

アポートで、試作した魔装を呼び出す。

「さぁ、柊深瑠璃よ。手は貸してやろうじゃないか」

その魔装を、真下にぶん投げた。

side out













「ああっ! もうっ!!!何なんだお前ら!」

柊深瑠璃は木刀で気持ちの悪い蛇人間の頭をぶっ叩く。

「キシャァー!」

「キモいんだよォっ!」

ぶっ叩かれて怯んだ蛇人間の胴を薙ぐと、吹っ飛んだ。

「はぁ…はぁ……」

深瑠璃の周りには、倒れた蛇人間が五匹。

「さっさと引いてくれねぇかなぁ…」

倒れていた蛇人間のうち一匹が飛びかかる。

が、それを木刀のフルスイングで殴る。

蛇人間は塀に当たりズシャッと落ちた。

フルスイングしてスキだらけの深瑠璃に、もう一匹が飛びかかった。

「やばっ!?」

深瑠璃が思わず目をつぶった時だった。

ガキィン! という金属音。

深瑠璃が目を開けると、目の前で蛇人間が剣に貫かれていた。

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