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蒼穹のカンヘル
四十六枚目
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もう君を襲う奴は居ない。とはいえその瞳は強力だ。
知られたなら狙う輩も出てくるだろう。
さぁ、どうするかね柊深瑠璃。
龍魔天使として俺の配下になるか、それとも龍天使になるか、それともルガーランスだけ持って人間のまま過ごすか」


柊深瑠璃が、ファイルから顔を上げた。

「なるよ。君の配下に。オレは君に恩がある。でもオレには返せるのが、この瞳しかない。だから、この体ごと、瞳を君にあげよう」

「宜しい」

柊深瑠璃を、立たせる。

「アポート」

呼び出したのは、ルークの駒だ。

「これはルークの駒。簡単に言えば力を強くする駒だ。
ただひとつ。これを使ってしまうともう人間同士の戦いじゃなくなる。
人間同士のボクシングはもうできない」

「構わないとも。正直、この瞳だから最近はあまりやってないんだ。フェアじゃないからな。
だからこれを期にボクシングはやめるよ」

「そう。わかったよ。じゃぁ始めようか」

ルークの駒を浮かせ、柊深瑠璃の胸の前へ。

「我、創造の龍を宿せし者。万象の祝福を汝に与える者。汝我が祝福と呪いを以て転生せよ」

スッと駒が体に沈んだ。








「これから宜しくな、ミルたん」

「ミルたん言うな」

え? ダメ?
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