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【ユア・ブラッド・マイン】〜凍てついた夏の記憶〜
春の霜3
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エデンは二人の豊満なバストにもだ若干の嫉妬を覚えたが、それよりもデリカシーというものをいまいち理解しきれていないエイジの肩を叩いた。

「……エイジ。そういうの女の子に言っちゃダメ。特に脂肪の差とか毛穴とか、触れてほしくない所だから」
「でも女の人は胸周りの脂肪をよく気にしているから教えた方がいいのかなって……」
「そりゃ自分が気にしてるんだから、他人にとやかく言われたいことじゃないの。そういうものなの」
「そういうものなんだ……うん、覚えたよエデン」

 一応話は分かったらしいエイジは、エデンに向けてはにかんだ。
 本当にこういう時のエイジの顔は、褒めて欲しい子供みたいで思わず頭を撫でてしまう。

 ただ、これのせいでエイジのイメージに「彼女に甘ったれる上に空気読めない理系男子」という極めて微妙な先入観を与えてしまい、自己紹介時にイメージを払拭する為に色々と気を砕く事になったエデンだった。
 
「いや、恋人じゃなくて家族だから!ね!」
「その年で既に家族公認の同棲中という事ですか!?なんと気の早い!!」
「ちーがーうーッ!そういう家族じゃなーーーいッ!」
「よくわからないけど、エデンを虐めるなら僕が許さない……!」
「急に氷室が男前なこと言い出した!?」

 最終的に周囲に張られたレッテルは、「天然おとぼけカップル」だった。
 誰が何を間違ったのだろう。釈然としないエデンであった。
 
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