暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは〜無限の可能性〜
第6章:束の間の期間
第196話「試行と目覚め」
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も、“死”と言う概念がないようなものです。“死”を司る神もいましたが、その神は邪神イリスに洗脳される事もなく、善神と共に戦っていましたので、犠牲自体は少ないです。……それでも、今挙げた神達以外にも神として死んだ者もおり、戦いも苛烈を極め、私達は窮地に陥る程の劣勢でしたが」

「……それが、“前回の大戦”か。そして、今回は……」

「はい。早い話、封印が解けました」

 それだけで、不味い事態になったと全員が理解した。
 何せ、相手は神界を窮地に陥らせた邪神なのだから。

「既に、封印を見張っていた神々は邪神イリスの力で洗脳されています。私達も、邪神イリスの勢力に追われ……天廻様やサフィアさんが逃がしてくれなかったら、ここにはいません」

「……なぁ、確か、この世界に来て目覚めるまで……」

「一週間は経っているな」

「ッ……!」

 既に祈梨達二人が現れて一週間が経過している。
 つまり、その分だけ戦況は変わっている事になる。
 その事に、帝は血の気が引いた。

「……幸いにも、こちらと神界では時間の流れが違います。ただ、それでも安心出来ませんが……」

「早急に対策を立てる方がいいか?」

「はい」

 猶予はあまりないと、祈梨は優輝の言葉に頷いた。

「……また少し逸れましたね。まぁ、後は簡単な話です。邪神イリスの勢力と神界の他の勢力が戦っています。以前この世界に現れた男も、貴方方がパンドラの箱と呼ぶロストロギアも、全て邪神イリスが封印されながらも仕掛けた事です」

「今までの謎が……全部……」

 それは、今まで後回しにせざるを得なかった事が全て判明する言葉だった。
 あまりにも呆気なく、謎が解き明かされる。
 ……だが、それ以上に。

 目の前に迫る問題に、全員の心が不安に覆われた。
















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