暁 〜小説投稿サイト〜
提督はBarにいる。
金城提督によるヒアリング調査【裏】
[1/4]

[8]前話 前書き [1] 最後 [2]次話
「さぁて、気合い入れて行きますかねぇ」

「そうですね、ここからが本番のような物ですから」

 さて、このヒアリング調査は午前と午後で大きく中身が変わる。午前は比較的健全な経営を行っている鎮守府が対象であり、聞き取り内容なども軽い物だし、和やかなムードで進行する。が、午後から相手にするのは怪しい動きをしている鎮守府……犯罪行為に手を染めていたり、艦娘を『物』として扱っていたり、国に反逆しようとしている疑いのある者だったりと、所謂『ブラック鎮守府』を相手にしないといけない。実際、ヒアリングというよりも取り調べに近いような内容になるし、下手すると『物理的手段』で会話をする事になるかもしれない。それに備えて俺も大淀もスタミナの付きそうなメニューをガッツリ、昼飯に食べてきた。

「……まぁ、犯罪行為に手を染めていると言われたらウチも捜査対象になっちゃいますけど」

「それを言うなよ大淀ぉ」

 法律的にはギリギリアウトだったりする事もやってはいるが、憲兵隊の皆さんはその辺を解って黙認してもらっている。賄賂なんかを贈っている訳ではないが、結果的に国の為にやっている事なので必要悪という奴だ。何か俺がやらかせば速攻で逮捕されるだろうが、そんなヘマをするつもりは毛頭ない。

「……さぁ、来ますよ」

「おう」

 無駄話はこれくらいにして、害虫駆除のお仕事に集中するとしよう。



「失礼しや〜す」

 入ってきた男は、20代中盤の若僧だった。両手をポケットに突っ込み、人を見下したようなニヤニヤという笑いを顔面に貼り付けていた。もうこの時点で階級のある軍人としては終わってると思うんだが……ここは堪える。

「よく来てくれた。若手でも目覚ましい戦果を上げている君の事は噂になっていてね。少し話を聞きたいと思って呼び出させてもらった」

「あ、そうなんすか?そりゃ光栄っすねぇ」

 タメ口かよ。ナメてんのか?それとも敬語すら使えないアホなのか?……いや、両方か。

「まぁ、かけてくれ」

「うっす」

 ソファにどかりと座り込む男。ふてぶてしい事この上ない。

「君の所は比較的規模の大きい鎮守府だったな」 

「えぇ、戦艦も空母も錬度マジ高いっすから。なんなら、大将んトコの艦隊と演習やってみます?ウチ勝っちゃうかもしんないっスよ?」

 あ?どの口がほざいてんだこのクソガキゃ。大淀が視界の端で口を動かしている。『堪えてください』ってか?こんな事で一々キレてられるか。

「まぁ、それはその内にな。それより、君の所から送られてきた資料を改めさせてもらったが……幾つか腑に落ちない点があってね」

 俺がそう言った瞬間、男の眉間がピクリと動く。

「……どっか数字が間違ってましたかねぇ?いやすんま
[8]前話 前書き [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ