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NARUTO日向ネジ短篇
【その傍らに】
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しての絆を、私に見せてくれ!』

 言いながら素早く間合いを詰め、範囲の大きい回天を繰り出すヒザシにネジとヒナタは間一髪で躱す。


(ヒザシ様も、ネジ兄さんと同じく回天を使えたんだ……!)

 ヒナタは内心驚いたが、ネジはその事を父が生存していた時に既に知っていた。

生前のヒザシは息子のネジにたった一度だけ回天を見せた事がある。──その回天は、実は次期当主と定められ回天の修業をしていた宗家のヒアシが、分家とはいえ双子の弟のヒザシに密かに教えていたのだった。

まだ幼い息子に一度だけしか見せられなかったのは、既に兄の代わりとなって死ぬと自ら決めていたからで、そのすぐ後にヒザシは亡くなり遺体は雲隠れに送られ戻って来る事はなかった。

ネジはその後、たった一度だけ父が見せてくれた回天を元に血の滲む修業の末、会得に至ったのだ。


 ──目にも止まらぬ動きで互いに繰り出す柔拳をいなしつつ、まだ息子が幼い頃はこれほど素早い手合わせは出来なかったが思わぬ穢土転生によって、成長した息子と敵対という形でもこうして相手が出来る事にヒザシは、操られていながらも喜びを感じずにはいられない。


「八卦掌──回天!」


 ネジはヒザシに向け回天を繰り出し、穢土転生で操られているとはいえヒザシはネジに応えるように再び回天を繰り出して地上の二つの蒼く美しい半円形のチャクラ放出が激しくぶつかり合う。

……敵同士として相見えてしまったといえど父と闘える事に確かな喜びを感じ、これまでの父との空白の時を埋めんとするかのように回天同士ぶつかり合うネジだが、穢土転生で力の増しているヒザシに及ばず耐えかねて弾き飛ばされる。

回天を止めたヒザシに向かってすかさずヒナタが柔歩双獅拳を叩き込もうとするが軽く躱され、逆にヒザシから柔拳を食らいそうになるもネジがそこへ八卦空掌を放ちヒナタからヒザシを離す。

ネジの元にヒナタはすぐに移動し、二人は片手を隣り合わせ、修業を重ねて共に放てるようになった術を渾身で放つ。


「「──八卦空壁掌!!」」


 ……この時のヒザシは本当は躱せたのかもしれない。だが、穢土転生の術者に僅かながら逆らい、敢えてネジとヒナタからの術を身に受ける事を選び、後方へ吹き飛んで仰向けに倒れ込む。

「父上!」

 ネジは思わず呼び掛けてヒザシに駆け寄り、ヒナタもそれに続いた。


『お前達のその絆……しかと、見届けた……。これで、思い残す事はない……』

「父上……?」

『私の魂は満たされた……。これにより敵の術は解けるだろう』

 ヒザシの原型が、ゆっくりと崩れてゆく。


『ヒナタ様……いや、我が姪のヒナタよ。息子と共にこの大戦をどうか生き抜いてほしい』

「はい……
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