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人理を守れ、エミヤさん!
正義って何さ士郎くん!
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、こんな形で目にする事になると……不謹慎ながら笑えてくる。今度時計塔に行く事があればからかってやろう。

「受肉という願い自体は叶うだろうよ」
「真か?」
「真だ。だがまあこの聖杯で受肉を願おうものなら、なんらかの(ひず)みを抱え込む事は覚悟しないといけないだろうがね。例えば、そうだな。――受肉は出来た、ただし『この世全ての悪』の器として、とか。最低でも英霊としての属性が反転するのは確実だな」

 幾ら大英雄であっても、ギルガメッシュのように、誰しもが聖杯の汚染を耐え抜く事が出来る訳ではない。理性ありのヘラクレス辺りなら普通に耐えそうだが。伊達に狂い慣れてはいない! とか言いながら。

 さしものライダーも顔を顰めた。属性の反転もアンリ・マユの器認定も、どちらも自分ではない誰かに他ならない。オルタ化は厳密には本人でも、反転した側からすればそれぞれ認識が違うだろう。ライダーの場合、反転など御免被りたいはずだ。

「では仕方がない……余も休戦には同意しよう。どのみち景品がそんなものでは戦うだけ無駄というものだ。それに、なぁ……」

 ライダーはにやりと笑むや、悪戯っけのある表情で指摘した。

「うぬは休戦に反対すれば、余をここで討つつもりなのだろう?」

 え?! とウェイバー・ベルベットが仰天し俺とライダーを交互に見る。
 アホらしいと鼻を鳴らした。

「なんの事だか」
「ダッハッハ! 図星を突かれても顔色一つ変えんとはな! よいよい、言わずとも分かっておる。うぬとセイバーめは手を組んでおるのだろう? 余もこの距離でうぬらを同時に敵に回そう等という無謀は犯せん」

 アルトリアとアイリスフィールの冷めた目が痛いから、余りそういう事を大きな声で言って欲しくはない。まったく、反対=敵対というのは道理だろうに。
 カルデアの方のアルトリアなら、多分遠い目をするだけだったはずだ。オルタなら平然とカリバってくれただろう。

 クー・フーリンが愉快げに言った。

「マスター、なんなら今消しとこうぜ。どのみち後で殺っちまうのは決まってんだろう?」

 暗に自分がいなくなる前に、強敵は減らしておけと言いたいのだろうが、スゴい目で俺を見るウェイバー君に目元を緩め肩を竦める。

「駄目だな。ライダーが黒化して出てこられたら面倒だ。今はまだ生かしておいた方がいい。……ライダーのマスター君、だから安心していいよ。敵対しない限りはまだ手を出さないから」

 言いつつ、聖杯をどうにかしたらその場で仕留めるのが最上だなとは思う。
 まあその時にはクー・フーリンはいない。絡め手でやるしかないから、その場で不意打ちするのは不可能だろうが。

 ウェイバー君は完全に警戒して戦車の中から僅かに顔を出すだけとなってしまった。
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