第三章
[8]前話
蜂か負けを認めてそうしてだった、アナンシに巣から出してもらった。そのうえで自分の巣に戻った。
この後でだ、アナンシはクワガタの神に言った。
「一重に見えても」
「実は五重にしていたんだね」
「そう、巣をね」
「一重だと簡単に破られても」
「五重ならどうか」
「それでやってみたけれど」
「見事成功したよ」
笑顔で言うアナンシだった。
「僕の作戦勝ちだよ」
「ぱっと見じゃわからないんだね」
「そう、糸が一重か五重か」
「それで通じたんだね」
「糸をよく重ね合わせるんだ」
巣を張る糸、それをだ。
「そうすればぱっと見ただけじゃわからない」
「だから余計にいいんだね」
「そうさ、本当に今回は」
「君の作戦勝ちだね」
「見事にね、流石の蜂も」
いつも巣を突き破って得意になっている彼もというのだ。
「今回ばかりはやってやったよ」
「そこは流石君と言うべきか」
「ははは、いつも簡単に破られていたからね」
「五重にしてみたということか」
「二重でも駄目だと思ったし」
「三重四重でもだね」
「それなら五重でどうか」
そこまで重ねればというのだ。
「そう思ってやったら正解だったよ」
「君のその知恵が蜂に勝った」
「結局大事なのは頭だよ」
「頭をどう使うかだね」
「それで勝ちもするし負けもするんだよ」
「そういうことだね」
「そう、だから僕はこれからもね」
まさにとだ、アナンシはクワガタの神に話した。
「頭を使ってことを進めて果たしていくよ」
「その君を応援していいかな」
「是非頼むよ」
笑顔で応えたアナンシだった、そうしてそのうえで巣づくろいをした。見事蜂にやり返すことが出来たその巣を。
蜘蛛の神 完
2018・7・11
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