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吸血鬼になったエミヤ
015話 新学期、吸血鬼異変《終》 落ち込む心
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りはしない。
他のもの達もどういう事か説明を、という視線を寄こしている。

「…昨晩の報告は聞いておる。シホ殿が突如一体だけ出現した謎の悪魔に対してあまりにも異常な力で無理やり消滅させたという…まるで暴走したかのように」

学園長が報告書を読み上げると周囲がざわめき立つ。
とくにタカミチは顔を青くしていた。

「まず状況が知りたい。詳しく話してもらえんかの?」
「…はい。昨夜の襲撃の際、全員の意見を照らし合わせて先輩は悪魔が現れたと同時に絶叫を上げて私たちでも目視不可能な速度で悪魔の顔面に爪を突き立て、何度も殴打を繰り返し、最後に拳に盛大に魔力を固めて胸部に穴を開け最後に血を吸い消滅させました。
そしてまるで歓喜したかのように笑い、次は私達の方に向き仕掛けてこようとしました」
「なんだとッ!?」

それにガンドルフィーニは反応を示し即座に学園長に「やはり…!」と話を振ろうとした瞬間、『バンッ!』という卓上を叩く音がして全員はまた静かになった。

「ガンドルフィーニ先生…話は最後まで聞いてくださらないといけませんよ?…でないと思わず協定を無視してあなたに攻撃を仕掛けてしまうかもしれません…」
「…!」

刀子の目を見て全員はそれが本当だろうと確信し黙り込んだ。
そして刀子は静かになったのを見計らいまた会話を再開した。

「ですが突如苦しみだし、そのものは自身のことを『我』と呼称し虚空に向かって誰かと会話をし始めました。
当初は意味不明でしたが発言の中に『まだ意識が残っていたのか!? さっさと我にすべてを明け渡せ!!』なる言葉を発しました。
そして咄嗟のアヤメさんの『アレから助け出せるチャンス』という指示で各々捕縛魔法を仕掛け拘束し、苦しみがピークに達しただろうときに体が発光し晴れた時には先輩は意識を取り戻して、

『吸血鬼としての血と、もう一つの人格を抑えることが、出来なかった…ほんとうにごめんね…』

と、いって最後まで泣きながら謝罪の言葉を繰り返しそのまま気絶しました…。
そして最後にこれが今回確認したいことなのですが…先輩は暴走時にかすれる声ながらもある言葉を発しました」
「その言葉というのは…なんじゃったんじゃ?」

一同は真剣に聞き入りその発言がなんだったのかを刀子に聞く。
だが刀子は突然涙を流しだしてしまい、しゃくりをあげながらも、

「『よくも何度も私の体を食い散らかしてくれたな』…と」
『………!!?』

全員の顔から血の気が引いていく。
それはつまり…人権を無視した行為の最中、その連中は悪魔を使い何度も“食せ”と命じたことになる。
それはなんと恐ろしく、そしておぞましいことか…。

「現在、先輩は魔法医療スタッフ総出で発現してしまったもう一つの人格の封印もしくは
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