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吸血鬼になったエミヤ
007話 大浴場での出来事
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ち往生しているネギと生徒達がとても心配そうに部屋の扉を眺めていた。
それで高畑は気まずい雰囲気の中、部屋に入ろうとして、

「あ、あの…タカミチ…」
「すまないネギ君。今は話に付き合っていられるときじゃない。後で経過を報告するから今は我慢してくれ。それに君達もシホ君が心配だろうが同じくおとなしく部屋に戻りなさい」
『………はい』

バタンッ、と扉が閉められ全員は名残惜しそうに一人、また一人と少しずつ部屋へと戻っていった。

帰りの道中、ネギはアスナと木乃香に、

「あの、アスナさんにこのかさん。エミヤさんは一体なにがあったんですか…?」
「…シホのこと? わからない。「わからないって…」私達もなにも聞いていないのよ。あんたが来る少し前の三学期初めにシホは転校してきたんだけど、編入前に朝倉が過去のことについて聞いたらさっきほどじゃないけど苦しむ仕草をしたらしいから」
「だからな、ネギ君。シホの事はみんな気を使って今までずっと過去については聞かんようにしとったんよ…」
「だからあんたもシホの事は触れないようにね。特に今日のあの酷い傷跡に関しては絶対…」
「はい…。それと明日必ずエミヤさんには謝っておきます」
「そうしときなさい」
「そやな」



だが次の日には、シホとタマモは二人そろって休んでしまい、エヴァも授業を即効ボイコットして気まずい雰囲気が教室を包んでいたそうだ。
特に同じく背中に傷跡がある和泉亜子は深く共感してしまい、昨夜は自分のことも一緒に思い出して同室の佐々木まき絵に慰められていたらしいとのこと。

だけど午後になってタマモだけ登校してきてようやく容態も安定してきたという報告に一同は胸を撫で下ろした。

「それと、出る前にシホ様から伝言を受けました。
『変なものを見せちゃってごめんなさい。そして不快な思いもさせてごめんなさい。明日にはちゃんと登校するから…だから気にしないでとは言わないけど無理な思いだけはしないでね』
…とのことです。だから皆さんもあまり気負いせずまたいつも通りシホ様に接してくださると私はもちろん嬉しいですしシホ様もきっと喜ばれます」

タマモの言葉が皆にしっかりと通ったのかほとんどの者がシホの安否に安堵し、その心遣いに深く感銘した。
その日の終わりにみんなが総出ではないがシホ達の部屋に訪れた。
特に鳴滝姉妹はシホに泣きついてしまい、和泉亜子には「なにかあったら相談して…」と涙ながらに迫られた。
後から来た居残り授業組みも来て大騒ぎになりネギには深く謝られ、シホはかなり参ってしまったとここに追記する。



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