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干支の巫女
制御困難の火竜編
005話 リューグの兄、リューガ
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な笑みを浮かべながら笑っていた。
それに対してリューグはどこか驚きの表情をしながらも、

「に、兄さん!? なんで、ここに…」
「なんでってなぁ。お前がなかなか里に帰ってこないからわざわざこのオレが見に来てやったんだぜ? だってのに、来てみたらこんな人間の娘といちゃついているなんてな。『ベル』が知ったら怒り出すぞ?」
「うぐっ…痛いところをついてくるな、兄さんは」

なんかそれで二人はお互いに苦笑いを浮かべている。
私はその間に木陰に隠れて顔だけを出して、

「その…リューグ。そのひとはリューグのお兄さんなの…?」
「ああ、ルカ…。兄さんがふしだらな事をしてしまってすまない。後で叱っておくから今は許してやってくれ。ほら、兄さんもルカに謝るんだ」
「あいあい。すまなかったな嬢ちゃん。だが、良い体をしていたぜ?」
「ッッッ!!」

やっぱりしっかりと見てたんじゃないの!
うう…恥ずかしい。

「兄さん! 余計な火種を作らないでくれ!」
「ハハハハハ! ま、こんな形ですまんが俺はリューグの兄の『リューガ』だ。ま、よろしくしてくれ」
「……辰宮 龍火(るか)です」

また軽快に笑い声をリューガはあげながらも、そんな感じで私達は軽く自己紹介を済ませた。
その後に制服に腕を通して着終わって二人の前に出る。

「ほう…。珍しい服装だな」
「ああ、そう思うだろう。兄さん、ここだけの話なんだがルカは異世界から来たみたいなんだ」
「…なんだと?」

それで私とリューグとでリューガに干支の巫女の事に関しても説明をした。
するとリューガはなにやら真剣な顔をして考えこんでいるようだけど、どうしたのかな…。
それに、少し思った事なんだけど、なんで兄のリューガじゃなくって弟のリューグが十二支の力を引き継いだんだろうって…。
でも、他人である私が振っていい話じゃないよね。
きっとなにかそういう方針だったんだろうね。
見た感じはリューグとリューガは仲はそんなに悪いわけじゃないみたいだし。
今も軽口を交えながらも真剣に話し合っているし。
しばらくして、

「なるほど…大体把握した」
「そうか。それならよかったよ、兄さん」
「そんじゃ、ルカといったな? 里の者として干支の巫女を歓迎するぜ」
「あ、はい! まだまだ分からない事ばかりだけどよろしくお願いします!」
「ああ、堅苦しいのはいいぜ。俺は軽い感じが好きなんだ。だが、族長がこれを聞いたらどんな顔をするか楽しみになってきたな」
「そうだな。族長は先代の辰の十二支でもあったからな。さぞ驚かれるだろう」

そんな感じでリューグとリューガはお互いによく分からない表情を浮かべている。リューガの方は全面的に面白そうという感じが滲み出ているけど。
それにしても、え
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