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星河の覇皇
第六十九部第四章 国境外縁部その二十六

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「あの人達には迂闊なこと言ったりするなよ」
「間違っても豚料理を勧めたら」
「ジハードだよ」 
 連合のムスリム達にそうするのと違ってというのだ。
「それこそな」
「聖戦ですか」
「そうだよ、撃たれるぞ」
「問答無用で」
「だから気をつけろよ」
「わかりました」
 ウェイトレスは真剣な顔でマスターの言葉に頷いた、そのうえで他の客達の接待もしていった。その他の客達もだ。
 義勇軍の兵士達を見つつだ、こう言った。
「怖そうだな」
「噂通りだな」
「荒々しくてな」
「猛者って感じするな」
「戦争で生きている」
「そんなのだな」
「暴れないか?」
 こんな言葉も出た、彼等に聞こえない様に小声であるが。
「飲み過ぎてな」
「それで銃抜くとかか」
「あるかもな」
「正規軍は外に武器持ってないけれどな」
「ナイフですらな」
「義勇軍はわからないからな」
「ひょっとしたら」
 それこそというのだ。
「何をするかわからないな」
「やばいな、こいつ等」
「酔って乱射とかな」
「しないよな」
 こうしたことを話していた、しかし。
 その陰口を聞いてだ、義勇軍の兵士達は眉を顰めさせてだった。彼等の間だけで小声で話をしたのだった。
「好き放題言ってくれるな」
「全くだな」
「俺達も軍律があるからな」
「それもかなり厳しいのがな」
「サハラのどの国にもないのがな」 
 連合軍の軍律は厳しいがそれは正規軍だけでなく義勇軍にも適用されているのだ、だから彼等もそれは守っているのだ。
 だからだ、それは守っているのだがだ。
「何でかな」
「随分言われてるな」
「本当にな」
「あちこちでな」
「軍服だとな」
「同じ軍服でもな」
 連合軍だからだ、軍服は同じなのだ。
「今度変わるって話もあるけれどな」
「基本同じなのにな」
「見方全然違うな」
「正規軍と俺達義勇軍じゃな」
「全然な」
「そこは違うな」
 こう言うのだった、しかし。
 彼等は規律正しく食事を摂りワインを飲んでだ、楽しんでいた。そして。
 兵士の一人がだ、こう言った。
「今度の作戦で武勲挙げたらどうするか」
「そのことだな」
「ああ、下士官になれるか?」
「なれたらなりたいな」
「そうだな」 
 こうしたことを話すのだった。
「やっぱり階級が上がる方がいいな」
「給料も上がるしな」
「特に兵士と下士官は全然違うからな」
「階級一つでな」
 兵長と四等伍長でもだ、その違いは天と地程の差があるのだ。
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