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星河の覇皇
第六十九部第四章 国境外縁部その二十七

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「無茶苦茶違うからな」
「俺達も今は兵長だけれどな」
「伍長になりたいな」
「絶対にな」
「それも同期だし全員でな」
「一度に昇進したいな」
 その伍長にというのだ、四等のだ。
「とにかく給与が上がる」
「あと軍服も変わる」
 セーラー服からブレザータイプのものにだ、帽子も制帽になる。
「そう思うとな」
「やっぱり昇進したいな」
「生き残ってな」
「そうしたいな」
「それからな」 
 下士官になったからの話も為された。
「連合市民になるか」
「サハラに戻るか」
「そのことも考えていくか」
「そうしないとな」
「何かな」
 兵士の一人がだ、ここで。
 周りを探る様に見てだ、同期の面々に言った。
「このまま連合にいてもな」
「ちょっとな」
「視線が気になるしな」
「何かとな」
「ややこしいのを感じるな」
「俺達余所者だからな」
「サハラの人間だからな」
 それでというのだ。
「所詮はな」
「このままだとずっとこうか」
「少なくとも義勇軍にいたらな」
「何か雰囲気でわかるみたいだな」
「軍服は同じでも」
「俺達が難民だってな」 
 こう言うのだった、口々に。
「どうしてかわからないがな」
「仕草とかでわかるんだな」
「軍服が同じでも」
「正規軍とは違うってな」
「外見か」
 自分達の外見の話にもなった。
「俺達の肌は赤い」
「しかも髪の毛と目は黒い」
「顔はコーカロイドでな」
「連合の連中とは顔が違う感じだ」
「背もな」
 混血が進んでいる連合の中でも独特の外見なのだ、しかも個人差はあるがそれでも背丈は連合の者の方が高いのだ。
「赤い肌で黒い髪と目でな」
「コーカロイドの顔立ちが違うんだな」
「俺達の顔は」
「サハラの顔か」
「それで軍にいるとか」
「こういう目で見られるんだな」
「流石に入店お断りにはならないが」
 これはない、連合ではそこまで悪質な偏見はない。ただ奇異と警戒の目で見られるのだ。
「嫌なものだな」
「サハラに帰った方がいいかもな」
「結局俺達は向こうの人間だしな」
「難民でもな」
 それで、というのだ。
「帰った方がいいか」
「あっちにな」
「それで生きるべきかもな」
「その方がいいか」
「若しくは」
 兵士の一人、面長の者が言った言葉は。
「難民の国に行くか」
「ああ、亡命した王族が集まってるな」
「この前ハサンの王族が入った国か」
「連合王国だな」
「あそこに入るのも手か」
「さもないとな」
 それこそというのだ。
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