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Dragon Quest外伝 〜虹の彼方へ〜
第三章  盟約の系譜
Lv65 新たな導き
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らんが、どこかで聞いた事があるようなデジャブを感じる言葉であった。
「君に、その謎を解き明かしてもらいたい。アマツの地に……いや……この世界に迫ろうとしている闇の力に対抗するには、その謎を解き明かすしか……もう方法は残っていない気がするのだ……」
 この黒い存在は、アマツの地とやらの事をやけに気にかけている。
 もしかすると、元は、その地に所縁がある人物だったのかもしれない。
「なんとなく、話はわかったけど……行けるかどうかなんて、保証はできんよ」
「いや……君は必ず、そこに行く事になるだろう……そう、必ず……」
「は? 必ずって……なんで、そんな事が言い切れるんだよ」
「それが、ジュラの力を受け継ぎし者の宿命だからだ……」
「は? 宿命……ジュラの力……何を言ってるんだ、一体……」
 黒い存在はそこで空を仰いだ。
「残念だが……時間だ……」
 そう呟いた直後、黒い存在は足元から徐々に消え始めた。
「ちょッ、ちょっと待てよッ、まだ俺の質問に答えてないぞ!」
「私は最後に、君と話せて良かった……君ならばアマツの地を……いや、この世界を……正しい方向へと導いてくれるに違いない……これで私は安心して消えてゆける……頼んだよ。ジュラの盟約を継ぎし者よ……」
「消えるなッ! まだ話は済んでないッ!」
「さらばだ……コータロー」
「待てッ」
 俺は消えゆく奴に向かい手を伸ばした。が、手は空を斬る。
 そして次の瞬間、目の前が真っ白となり、俺は現実へと引き戻されたのである――
 
 瞼を開くと、煌びやかなシャンデリアが吊り下がるゴージャスな天井が、視界に飛び込んできた。もう見るからにブルジョワな感じだ。
 ふんわりとした枕や布団、そしてベッドが俺を包んでいるのか、暖かくて寝心地が良い。このまま寝続けたい気分であった。が、まずは状況を整理する為、俺は瞳だけを動かして周囲に目を向けた。
 部屋の大きさは20畳ほどだろうか。四角い部屋で、壁の1つには窓があり、そこからは優しい日光が差し込んでいた。
(ここは……どこだ。誰かの屋敷だろうか……)
 入口と思われる扉がある壁には、使用人と思われるメイド服のようなモノを着た若い女性が1人おり、こちらの方へと視線を向けているところであった。
 つーわけで、俺は今、その人と目が合ったわけである。
 俺はとりあえず、笑顔で挨拶しておいた。
「あ……おはようございます。つかぬ事をお聞きしますが、ここは一体、どこなのでしょうか? 差し支えなければ……って、あれ?」
 女性は目を大きく見開き、驚きの声を上げた。
「あ、ああ……た、大変ですわッ!」
 その直後、女性はパニクった表情で、アタフタと扉を開き、この部屋を出て行ったのである。
 正直、わけのわからない反応であった。
(なんだあ
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