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衛宮士郎の新たなる道
第4話 忘れた筈の悪夢 その一
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 最初に気付いたのは暗く見えた事だった。

 『はっ、はっ、はっ、はっ・・・!』

 恐らくは時間的に深夜なのだろう。そして周囲の状況からして路地なのが窺える。

 『ひあっ、やだやだやだっ、こ、来ないでっ!』

 これは夢なのだろう。こんな夜遅くの時間帯であれば、居候の身の私は島津家に迷惑を掛けるわけにはいかないので21時以降の外出を自重している。もし例外があるとすれば近所へのちょっとしたお使いくらいだ。

 『私っ!私何もしてないじゃんっ!虐めや嫌がらせなんてした事ない、しっ、はっ、はっ・・・!』

 夢の中で出て来る少女は必死に逃げている様だ。何かから、誰かから。

 『そ、そりゃ、好みのタイプの良い男がいれば!友達の狙っていた男もっ、彼女付の男もっ、食ってきたけどさっ!』

 言う割にはやっていた。これが被害者の女の子ならば恨まれて追いかけられても仕方がないんじゃないだろうか?

 『来ないで来ないで、来ないでってば、あっ!』

 そこはもう行き止まり、最早逃げ場など無い。

 『や、やめてやまてやめてやめてやめてっ!なんでもするからっ、だから許しt』

 そこで一度ブラックアウトする。

 『・・・・・・・・・・・・』

 次に視界に移った光景は少女が腰を下ろした状態で苦悶の表情のまま気絶している所だった。
 その気絶した少女が倒れていないのは彼女を支えている人物がいたからだ。

 『・・・ンム・・・ンム』

 その人物は状況からして追い掛け回していた本人なのだろう。取りあえずはその肢体から女性だと窺えた。

 『・・・ンム・・・ンム』

 その服装は目が覚めた時に来ていた私のボディコンスーツとかぶった。

 『・・・アンムゥ・・・ジュルチュル』

 髪の色や長さもかぶる。――――いや、ソンナハズハナイ。

 『・・・ンク・・・ンク』

 今見ていたのが鏡に映っていた光景だと判る。そしてそこにいた女性は――――。

 『・・・・・・・・・・・・フフ』

 少女の首に噛みつき少しづつ何かを吸っている。
 それは血だ。
 その血を吸い続けている女性の顔が漸く垣間ミエテシマッタ。
 鏡に映り今も少女の血を彼女の首から吸い続けている女性は――――私の顔をしていた。
 しかも本当に美味しそうに吸い続けている。
 こんなのはまるで、まるで・・・・・・・・・・・・ホラー映画に出て来る吸血鬼――――怪物の様ではないk

 「―――――はっ、はっ、はっ、はっ、はっ、はっ、はっ・・・・・・!!」

 慌てて跳び起きた。乱れに乱れた呼吸を何とか徐々に整えて行く。

 「ハァ、ハァ、ハァ、ハァ、ハァ」
 
 何とか息を整えて行くことに成功したメリッサ
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