暁 〜小説投稿サイト〜
転生とらぶる
機動戦士ガンダム
2248話
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「治すえー」

 そう言いながら、近衛はセイラと凛に近づいていく。
 まともに当たった攻撃はなかったが、それでも手足が微かに当たったりといった事はあり、それによって小さな引っ掻き傷とかはある。
 それを治しに行ったのだろう。

「どうせなら、模擬戦が完全に終わった後でもいいと思うんだがな。あの30分縛りとかいうのは、もうないんだろ?」
「正確にはその縛りはあくまでもアーティファクトによるもので、このちゃんの魔法についてなら、その辺は全く問題ありません」

 俺の言葉に、桜咲が短く答える。
 30分縛り。
 それは、近衛が回復魔法を覚えたばかりの時に30分以上経った怪我は治せない……というものかと思っていたのだが、実はアーティファクトの効果だったらしい。
 つまり、今の近衛であれば素の状況でも高い回復魔法を使えるので、その辺は全く気にする必要がない……という事らしい。

「ふーん、アーティファクトね。そういう便利なのは少し羨ましいな」
「いや、綾子だって物干し竿を持ってるだろ?」

 佐々木小次郎の持っていた武器、物干し竿。
 そう考えれば、アーティファクトと呼んでも決しておかしくはないだろう。
 もっとも、俺が持っているゲイ・ボルグのように何らかの特殊な効果があったりする訳でもないのだが。
 そういう意味では、ちょっとアーティファクトと呼ぶのは……厳しいか?
 もっとも、同じような長物を使っている桜咲は、綾子にじっと好奇心に満ちた視線を向けていたが。
 ともあれ、そんな風にセイラの訓練の時間はすぎていくのだった。
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