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転生とらぶる
機動戦士ガンダム
2248話
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つつ、手を振ってくる。
 いつもの2人らしい様子に、俺と綾子はそれぞれ笑みを浮かべながら、そちらに向かって歩いて行く。

「待たせたか?」
「いいえ、見ての通りまだ準備運動中なので問題ないですよ」
「そやなぁ」

 桜咲の言葉に、近衛は笑みを浮かべてそう答える。
 ……ちなみに、近衛は血とかを見ても特に気にしないだけの強い精神力を持っており、これから行われる模擬戦でも、特に問題なく回復魔法を使えるだろう。

「そうか。来て貰って悪いな。色々と忙しいんじゃないか?」

 基本的に怪我をする事のない俺にとって、近衛の回復魔法に世話になるという事は滅多にない。
 治療云々という事で関わるのは、それこそギニアスやゲラート、もしくはアンリの仲間達のように、レモンでなければ治療出来ない面々に限る。
 だが、それはあくまでも俺だからという事であって、シャドウミラーに所属する大半の者はそうもいかない。
 特にシャドウミラーでは生身での戦闘訓練も行われる事が多い以上、怪我をする者は当然出てくる。
 そして、そういう怪我を治療するのが、生活班の一員で治療を任されている近衛となる。
 何だかんだと、魔法について習得してから数年。
 今では、近衛の魔法の技量も上がっており、それこそレモンの世話にならなければならないような、致命傷以外であれば大体はどうにか出来るだけの実力を持っている。
 ……いや、致命傷に近い傷であっても回復出来る……らしい。
 その辺はあくまでも人伝に聞いた話であって、実際にどうなのかは分からないが。

「大丈夫やえ。それに、うちも回復魔法の技量を上げる為には、出来るだけ多くの治療をしたいしなー」

 回復魔法の腕を上げるには、やはりそれだけ回数をこなす方が先だという事なのだろう。
 こっちは傷を回復してもらい、近衛は回復魔法の技量が上がる。
 まさに、WIN-WINの関係といったところか。
 そんな風に考えている俺の視線の先では、セイラと凛がそれぞれ生身での模擬戦を始める。
 模擬戦だけあって、そこまで派手な戦いという訳でもないが……それでも、相応に本気での戦い。
 もっとも、当然のように凛は魔術の類を使ったりはせずに、あくまでも素手での戦いだが。
 セイラはニュータイプ能力を使って何とか攻撃を回避しているが、そんな真似が延々と出来る筈もなく、やがて凛の掌底が顎に触れたところで、最初の模擬戦は終わる。

「ふーん。……セイラも以前に比べると技量が上がってるのは間違いないな」

 今のやり取りを見ていた中でふと気が付き、そう呟く。
 半ば一方的に凛に負けたというのは間違いないが、それでもある程度の一撃で寸止めにされて負けたという事を考えると、それなりに凛に本気を出させたと考えてもいい筈だ。


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