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デジモンアドベンチャー Miracle Light
第23話:撃破
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気に距離を詰めて蹴りを入れた。

もう勝負にすらなっていない。

「終わりだな、ヴァンデモン。」

無様に倒れ伏すヴァンデモンを冷たく見下ろすマグナモンがエンジェウーモンに目配せするとエンジェウーモンも頷いて左手のグローブを弓に変えると聖なる電撃の矢をつがえた。

「俺も力を貸そう。」

マグナモンの鎧が光り輝くとエンジェウーモンの矢から雷が溢れ出た。

「ぐっ…」

己に向かって放たれようとしている制裁の一撃に身動きひとつ取れないヴァンデモンにはどうすることも出来ない。

「ミラクルグリッター!!」

「ホーリーアロー!!」

マグナモンの鎧から放たれた灼熱の光とエンジェウーモンの電撃の矢が一つとなって巨大な光線となってヴァンデモンに迫る。

「や、止めろ…うわああああ…!!」

光に飲み込まれたヴァンデモンは瞬く間に消滅した。

王を志した者の最期にしては、あまりにも呆気ない最期だった。

「終わったか…?」

「ええ…ヴァンデモンの気配は消えたわ…」

マグナモンの呟きにエンジェウーモンは暗い声で答えた。

「そうか」

マグナモンは何も言わずにただそれだけ答えた。

下手な慰めは相手を傷つけることもあることを数年間、人間達の関係を見守ってきたマグナモンだからこそ分かる。

「ヒカリちゃん…ウィザーモンは死んでない。生きているよ、デジメンタルの中で」

「うん…分かってる。分かってるけど…悲しいの」

「…………」

ヒカリの呟きに大輔は俯いたその時、上空から聞き慣れた声が聞こえてきた。

「みんな!!」

雑魚を片付けてきた賢とジュエルビーモンが駆け寄ってきた。

「賢、ジュエルビーモン…」

「ヴァンデモンは?」

「倒したよ。テイルモンが完全体に進化して……」

「メタル属性のデジメンタルが完成してブイモンがマグナモンにアーマー進化してな」

「そう……その割には浮かない顔だね。詳しい事情は後で聞くとして、使い手を倒しても一向に晴れる気配を見せない霧をどうするかを考えよう」

「「え?」」

大輔とヒカリは賢の言葉に目を見開いて改めて辺りを見回し、全く晴れる気配がない霧に愕然となる。

「霧が晴れない…?」

「どうして…?」

時間経過と共にお台場を覆っていた霧は薄れるどころか、寧ろ更に濃度を増していく。

他の子供達も濃度を増していく霧を不安げに見つめていた。
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