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ツインズシーエム/Twins:CM 〜双子の物語〜
ツインレゾナンス
第22話 追い風と向かい風
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んどないと言ってもいい。もってあと5分あれば花丸を自分にあげてもいいくらいにしか、セレシアの体力気力は残っていない。魔力だけは大量に残っているが、魔法が使いづらい今の状態ではあったところで何の役にもたたない。

「なんとかしなきゃ……」

 自分を奮い立たせるようにそう言うセレシア。今の自分の姿を誰かが見たら、色んな感想が聞けるのではないか。そんな下らないことを考える余裕を無理やり作り出して、すぐそこにあるかもしれない最後を無理やり引き延ばす。

 無理やりを重ねた、醜い足掻き。今の自分にはちょうどいいのではないか、という自虐も出てくる。それは全部、身体の震えを消すための空元気。背中を這う恐怖に勝つためのもの。

「ダメかもしんないけど……っ!!」

 セレシアが繰り出したのは、炎属性の爆発魔法『ブラム・エクスプロージョン』。爆発を起こすその魔法は夜の森には合わないが、あれこれ考えていてはダメだと自分の迷いを振り切るように、前方に放つ。

「ぐうっ!?」

 エアードのうめき声が爆発の向こうで聞こえる。間違いなく意表をついたその攻撃ならば、相手にダメージを与えられると踏んでいた。

「いやぁ……危機一髪でした。危ないものですね」

 しかし、爆発による土煙が晴れたその向こう側では、エアードが地に足をつけて立っていた。相当な威力だったはずなのだが、フードがとれただけで、まだ余裕がある様子だ。おそらく、風によるクッションで木への衝突を避け、緩衝も行ったためか。

「くっ……」

 またも思うようにいかないその光景を見て、セレシアは唇をかんだ。意を決して放った魔法が大した効果を望めなかったことが悔しかった。

 そしてそれは彼女が見せた一瞬の、本当にコンマ数秒の完全な隙だった。

「がは……」

 一瞬で距離を詰めたエアードが、セレシアの腹部から胸元にかけて、風による攻撃で抉るように切り裂く。これまでとは違う、確実に命を削りに来ている攻撃には当然耐え切れず、セレシアは後ろに仰向けの状態で吹き飛んだ。

「げほげほっ……」

 反射的に後ろに飛んだためか、傷はそこまで深くはなく表面を削った程度で済んだ。

 だが、身体に蓄積していた痛みの方はもう限界だった。重くなった身体はもはや言う事を効かなくなっていた。

 ミスト、もしくはエースが来るまで逃げられないようにするための時間稼ぎ。それを行うために必死で耐えてきた時間は、どうやらこれ以上は伸びないらしい。

 自分の足元よりも先から、足音が聞こえて来て、それは自分の横で止まった。仰向けに倒れこんだままの状態で目に入ったのは、自分を上から覗き込むエアードの視線。

「無様ですねぇ……」

 口角を吊り上げ、満身創痍のセレシアを見て笑うエ
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