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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第百十六話 ついに二大勢力が正面激突します!!
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「静かすぎませんか?」

 エレインを除く他の一同は顔を見合わせた。

「イゼルローン回廊は今まで主戦場でした。敵がそこに注意をしないわけはありません。縦深陣形を敷くにしても私たちの動向は常に確認しなくてはならないはず。にもかかわらず、偵察艦一隻もないというのは不自然です。」
「すると、偵察艦の報告に何らかの穴があったという事ですか?」

ベルゲングリューン、ビューロー両大将が遠征軍別働部隊総司令を見つめる。

「ええ。」

 フィオーナははっきりとそう言った。両大将は一瞬むっとした顔になったが、急に顔を見合わせた。何か思い当たるところがあったらしい。
 
「そう言えば、偵察艦の燃料の残量に少々不自然なものがあったと整備班の報告がありました。その際ははっきりしたものではなかったので特に気にも留めませんでしたが・・・・。」

 ビューローが口を濁す。

「つまりは燃料の残量が既定の航路をたどった場合の標準残よりも多かったという事ですね?」
「そういう事です。」

 皆がほっと息を吐いた。言葉には出さなくとも想像したことは当たっているだろう。

「その艦を当たった方がいいわ。それから、他の艦についても調べなおした方がいいかもしれない。」

 今まで黙っていたエレインが発言する。結果として、帝国軍は偵察艦及び乗組員の再度の調査、洗い直しに追われることとなる。


* * * * *
「イゼルローン別働部隊の足は、止まったかな。」

 ヤンは心の中にそうつぶやきながら、紅茶を飲んでいる。脇にはきちんと整理されたファイルが一冊だけある。グリーンヒル大尉がすべて整理し、彼にとって重要な物だけを閲覧できるようにしてあるのだ。

「閣下の仕掛けた案が成功するといいのですが。」

 ファイルの代わりに紅茶を運んできたお盆を持ちながら大尉が言う。

「別に仕掛けたわけではないよ。ただちょっとした揺さぶりをしてみただけさ。微弱な初期微動というところかな。」

 ヤンは紅茶を飲み干して、心持残滓の入ったカップを見つめた。

(なんて馬鹿馬鹿しい戦いだ、と普段なら言えるのだけれどなぁ・・・・。)

 今や自由惑星同盟史上かつて存在しえない15個艦隊という大軍を指揮し、帝国軍を迎撃しようとしているのだ。その目的は、シャロンの野望達成ではなく、自由惑星同盟市民の解放にある。それをシャロンが履行してくれるかどうかはわからないが、だからといって何もしないわけにはいかないじゃないか、とヤンは思う。そう思う事こそが一方で彼を腹立たしくしているのだけれども。

(もう、給料分よりもずっと大きな仕事をすることになるし、そもそも英雄業なんて私には似合わない。英雄などという存在は中長期的に見ればずっとマイナス要因であ
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