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転生とらぶる
機動戦士ガンダム
2204話
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そのウサギは綿毛のような毛が生えており、それこそ丸いというのが、そのウサギを見た時に感じる最初の感想だった為だ。
 実際、そのウサギは移動する時には普通のウサギのように跳躍するのではなく、丸まって転がるといった移動方法を使っている。
 ……そんな移動方法をしていれば、当然のように速度はそこまで出ず、肉食の動物に狙われてもおかしくはないのだが、俺はその毛玉ウサギの事を知っていた。
 あの毛玉ウサギ……いや、正確にはもっとちゃんとした名前があったのだが、結構難しい名前だったので、取りあえずここでは毛玉ウサギと呼ぶが、その毛玉ウサギは危険を感じると自分の身体を覆っている毛が逆立って、鋭い針になるのだ。
 それこそ、ハリネズミの如く。
 当然のようにウサギを食べようとした肉食獣は、そんな針に口や顔、場合によっては目や手足といった場所を刺されて、痛みに悲鳴を上げる事になる。
 もっとも、それはあくまでも毛玉ウサギが危険を感じればの事であって、基本的には優しい性格をしており、人懐っこい。

「……これって……」

 俺達の方に転がってきた毛玉ウサギを見て、ゆかりが小さく呟く。
 何気に、ゆかりってこういう愛らしい生き物とか好きだよな。

「ほら、触ってみたらどうだ? その毛玉ウサギもお前に撫でて欲しいって思ってるみたいだぞ」
「え? 私? えっと……うん」

 その言葉に、ゆかりは若干恐る恐るといった感じではあったが、毛玉ウサギに手を伸ばす。
 毛玉ウサギの方もそんなゆかりの手から逃げる様子もなく……寧ろ、自分から撫でて欲しいと身体を押しつけてきた。

「あ……ふふっ」

 最初はそんな毛玉ウサギに驚いたゆかりだったが、その人懐っこさは本物だと判断したのだろう。嬉しそうな笑みを浮かべつつ、毛玉ウサギを撫でる。

「ねぇ、コーネリアもちょっと撫でてみない? ほら、この子は可愛いわよ?」

 そう笑みを浮かべるゆかりの様子に、コーネリアは若干戸惑った様子を見せるものの……やがて、ゆかりの視線の負けるように毛玉ウサギに手を伸ばす。

「ほう」

 毛玉ウサギの撫で心地が思っていた以上によかったのか、コーネリアの口からは驚きと感嘆の混ざった声が出る。
 何気に、コーネリアも可愛いものは好きだよな。

「ね? 凄いでしょ? ……アクセル、この子って何を食べるの? やっぱりウサギなんだし、ニンジン?」
「あー、確か基本的に野菜なら何でも食べた筈だ」

 以前UC世界の研究者を連れてこの毛玉ウサギを観察した時に、そういう結果になっていた筈だ。
 勿論、本当の意味でその辺りの事情を知りたければ、マクロス世界の研究者に聞けばいいのだろうが。
 ただ、取りあえず野菜を食うと分かっていれば、それを別に広げる必要はないだ
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