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緑の楽園
第四章
第33話 何者かの意志
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、もっとこの時代でタイムワープがメジャーな話になっていてもよいはずだ。もちろん、そんな話はこの時代で聞いたことはない。ワープ者が多いということはないはず。
 そう考えていくと、数少ないワープ者が揃って特殊技能を持っているというのは、やはりおかしいのだ。

 また、技術者が飛ばされてきたところで、その技術を生かして大仕事をしてくれるとは限らない。
 まったく違う仕事で一生を過ごされてしまう可能性もあるし、最悪のケースでは環境の違いに適応できず、長く生きられないということもあるかもしれない。
 なのに、ヨネクラもトヨシマもしっかり自らの技術を生かし、社会に寄与している。

 ……そうなると。

 「文明のレベルを上げたい」という何者かの意思が働き、そのために過去から技術者を一本釣りで召喚した。そして召喚された人物は、その何者かの指示に従い、動いていた――。
 そのように考えるほうが、ずっと自然である。

 ただこの仮説にも穴がある。
 今回、何のスキルも持たない俺が召喚された理由が説明できないためだ。



 ……。
 これはもう、召喚した張本人を特定して直接聞くしかなさそうである。

 現在もっとも容疑が濃いのは「神さま」なる存在だ。
 明日、国王に許可をもらって、神社へ再挑戦しよう。
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