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繰リ返ス世界デ最高ノ結末ヲ
06.そうだ、刑務所に逝こう。
第25話
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なくそう言った。































「"琴葉"…………?」































 ぽつりと、自分にも聞こえるか微妙な程小さな声で、私は言った。

 夢に出て来た彼の三人目の幹部、否、昨日私が殺してしまった、大切な彼女の名を。


「思い出し、た…………んですか?」


 小さくそう聞こえて、私は確信する。

 彼女は黒華琴葉。K猫幹部で猫の頭領、私の最高の部下で、一番優秀であり、時の旅人。


「琴葉………琴葉、琴葉ッ!!」


 反射的に躰が動き、思わず彼女の小さな躰を抱き締める。彼女の後ろで、キュラル君とグレース君が大変驚いたような表情を浮かべて、言葉を失っている。


「悪かった! 全て、全て、私が悪かった………」


 そして、自分の全てを掛けて彼女に謝罪をしようと為たときだった。











「首領、直ぐに其の女性から離れて下さい。其の距離では、守るモノも守れません」











 背後から冷静な水城君の声。レン君も七星君も、鋭い視線を琴葉へ向けている。


「……如何言う事なんだい? 琴葉…………」

 言葉が震える。

 ジリジリと近寄ってくる水城君の威圧感が、それはまた素晴らしい物で。


「…………私は、一度目に其の世界を訪れ、死ぬか、諦めた時、関わった人の記憶を少しだけ残しつつ消します。そして、二度目に其の世界を訪れた時、誰か一人が私の事を思い出すと、他の人の残っている記憶が全て消えるんです。つまり、今私が昨日まで此の世界に居た事を知っているのは、私の仲間を除いて、フランさん。貴方一人だけとなりました」


 私の所為で、私以外の人が琴葉を忘れたのか?

 だとしたら、私は…………



「フランさん、そんなに落ち込まないで下さいよ。私は、貴方に"分かって貰えて"、迚も嬉しいんですから」



 琴葉が細い腕を背中に回して抱き締め返してくれる。



「有難う御座いました。其れでは、さような…………」



 琴葉が言い掛けたところで、何か異変を感じたのか、琴葉の肩がピクリと上下する。

 直後。



「琴葉さあああああああああああん!!!!!」



 私の後ろから、聖月さんが走って来て、琴葉に飛び付いた。

「大丈夫ですか!? 昨日から居なくなったって聞いて………大丈夫ですか!!」
「あ、うん………大丈夫…………」
「全然大
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