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汝(なれ)の名は。(君の名は。)
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 現代、飛騨郡、職業訓練学校

 ヨツハが鉄を精製して、鉄パイプと硝石からの黒色火薬、硫黄からの無煙火薬、ライフリングの入った後装式ライフルの作成を目指していた頃。
 スマートフォンを失った後の部員も色々な調査をしたが、シヨウも図書館や国会図書館に行っても無駄なのを悟った。
 職業訓練学校では早退や仮病での退席など認められないので、全員職業訓練の授業や実習に戻され、昼食時間になってから集合して学食で食事をしていた。
 怪奇現象研究会のメンバーとタケルだけが、シヨウが持っていた髪留めを指に結んでいるので、書き変わり前の歴史も覚えている。
「何これ? 肉が全然ない〜」
「玄米と野菜の漬物、タンパク質は豆と味噌汁だけ」
 雨にも負けず風にも負けない頃の食生活と生活水準になり、東アジア特有の大量の米と辛い漬物、汁物、豆料理だけの食卓。
 脚気を起こさないように白米だけの食事はしないで、麦も入れるし玄米も食う。
 小魚があれば御馳走、動物の肉など高価で食べられないし、欧米式の食事は取り入れられていない。
 鶏卵を食べる程度で、卵を産まなくなった鶏の肉片が入るだけで御馳走、病原菌などの理由でネズミは食べない、兎も一羽と数えないし足が四本ある仲間なので食用不適。
 これで献立はかなり限定される。
 米軍捕虜みたいに、欧米人にゴボウや(はす)が入った物を食べさせると「草の根を食わされた」と告発されて戦犯に指定される様な精進料理。

「周りの奴らが小さい、俺も小さくなって筋肉も足りない」
 タケルが周囲を見回しても、近代スポーツの栄養学で食べ、プロテインなども多用して筋肉を付けて肉体改造をして、ダルビッシュ投手や大谷選手の様に右腕と胸筋だけ巨大化していた野球部員も普通の体になり、背丈まで縮んでいる。
 相撲部の奴らも2メートル越え体重200キロの巨人などいなくなり、体重も半分以下、100キロ以上に太れない低カロリーの食事をしていた。
 テレビで中継される本職の大相撲なども無くなり、各地で行われる出雲の神への奉納相撲が、力自慢の一般人だけで行われ、タニマチが雇っている力士も一般参加できる程度。
 毎日相撲の稽古だけして、チャンコを食べて出来るだけ太って体重を増やすような行為もできない。
 欧米のような食事も無くなり、運動部員も1万カロリー近いプロレスラーのような食事などできなくなり、修行僧の様な草と豆中心の精進料理で非常にヘルシー。
 海外から極真空手に入門して、食事時間には食べられなくなるまで食べさせられ、それでも大山倍達師範から「おかわりしなさい」と言われて無理にでもお代わりするような生活は、国ごと貧しいので不可能になっていた。

 食後、職員室前だけに設置してある街頭テレビを見ると、中国沿岸に並んだ旧式の戦艦が艦砲射撃を
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