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稀代の投資家、帝国貴族の3男坊に転生
35話:工廠部開発課
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い頂ければ助かりますが・・。」

「分かっておる。今回だけだ。はっきり言えばお主は門閥貴族も含めて欲しがった婿だ。イゼルローン要塞の建設に共に尽くした事と、そちの父であるルントシュテット伯の後任が私だったという二重の縁でリューデリッツ家に迎える事が出来るが、最大限配慮していると周囲に思わせねば、付け入る隙があると誤解されかねぬ。必要なことなのだ。」

「承知しました。パトリック......。」

お茶を頼もうとしたらいつの間にやら用意していたようだ。飲みながら一呼吸置く。

「それで、どうされました?義祖父になる方ですから、御用が無くてもかまいませんが。」

「うむ。お主と婚約する孫娘のゾフィーの件でな。何とも言い難いのだが、いささか他家の令嬢とは変わっておるものだから顔合わせの前に少し話をしておいたほうが良いかと思ってな。マリア殿の件もあるしの。」

「その件なら、ご心配には及びませんよ?RC社とご契約いただいている時点で領地の状況は把握しておりますし、当然ご親族の皆様のお好みもある程度把握しております。ゾフィー嬢がガーデニングにかなり思い入れをお持ちなことも、私同様、経済・経営にも興味をお持ちだという事は存じておりますし、おばあ様の事は、リューデリッツ伯もまだ予備役入りはされないでしょうし、数年間は保留かと判断しておりましたので。」

「うむ。そこまで把握しておるなら、問題はないのだ。取り越し苦労だったようだな。忘れてもらえればありがたい。」

俺の婚約者になるゾフィー嬢は、今年19歳。早くに両親を亡くし、祖母に育てられた。この方が在地領主の家の出身で、屋敷をガーデニングで彩るのが好きな方だった。当然、彼女も幼少からガーデニングに触れる事となり、今に至るわけだ。軽く流したが、本来なら音楽学校や美術学校に進学するところ、農学で権威のある大学に進学している。現在3年次なので卒業を待って結婚の運びとなるだろう。
俺自身は、志望するなら種苗会社を立ち上げて彼女に品種改良に勤しんでもらってもいいと思っていたが、保守的な貴族の価値観で見ると変わり種であることは間違いない。そういう意味で、リューデリッツ伯もお気にされたのだろう。
在学中の農学科は敷地面積がかなり必要なので、オーディンも属しているヴァルハラ星域の惑星アースガルズに設立された。休日に戻れないこともないが、世話を欠かすことで研究の進捗が遅れる事もあるらしく、俺が落ち着いたタイミングで、アースガルズで顔合わせをする事になっている。

おばあ様の件はあまり気にしていない。結婚後にオーディンのリューデリッツ邸に移る約定を結んだらしいが、長男のローベルトが結婚して5年弱。2人目がお腹にいる事を考えればビルギット義姉上にルントシュテット邸を取り仕切るのは数年は無理だろう。


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