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稀代の投資家、帝国貴族の3男坊に転生
35話:工廠部開発課
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いうのも、軍務省次官の話を蹴って、この計画の遂行責任者の立場を提督が欲したからだ。次世代艦構想の検討を依頼して3年近い時が過ぎたが、戦術面での活用方法などを検討してくれた。かなり具体的な運用案が形になっているが、理論を構築したら実戦で試してみたくなるのが人の常だ。イゼルローン要塞が完成し余裕ができたリソースをアムリッツァ星域の駐留基地とシャンタウ星域の造船ドック群の新設に費やしてきた。来年には作る場所と作るものが確定し本格稼働する。

もっとも、シュタイエルマルク提督の理論から、艦隊全てを次世代艦には更新しない方針も決まっている。提督の考察では、武装モジュールの交換を想定した場合、一時的に前線の味方戦力が減ることになるため、ある意味戦線を維持する防御力と長距離攻撃力に優れた部隊が必要だという結論が出ていた。なので既存艦を再設計し、防御力と長距離攻撃力を高めた戦艦の建造も開始している。既存の14000隻前後の艦隊編成の定数は維持しつつ、艦隊司令部直轄の4000隻程度の防御特化艦隊に次世代艦2500隻の分艦隊を4編成で1艦隊とするが、次世代艦は制宙能力が無い為、分艦隊司令艦を宇宙空母とする案なども出ている。あとは実戦を通じて理論を実証していくことになりそうだ。もっとも超硬度鋼とスーパーセラミックを活用することで、既存の動力機関の出力向上も出来ているので、それだけでも戦力の向上にはなっている。

またこの戦法が叛乱軍に対応された場合、戦線後方に待機中の武装モジュールを駆逐艦などの高速艦で狙うことも考えられるので、メンテナンス部隊に宇宙空母を配属し制宙権を確保する安全策やメンテナンス艦そのものに戦闘艇を搭載する案なども出ていた。
まあ、イゼルローン要塞の建設の為に増産した資源の使い道として、軍人たちのおもちゃを量産するのが取り急ぎのミッションだという事だ。既に量産化体制は整いつつあるが、次世代艦の母艦部分はアムリッツァ星域を軸に量産し、シャンタウ星域では武装モジュールを軸に量産する予定だ。生存性担保の為、超硬度鋼とスーパーセラミックを多用する母艦部分を生産設備に近いアムリッツァ星域で造るほうが理にかなっている。

また前線で消耗した武装モジュールを、訓練も兼ねてアムリッツァ星域からシャンタウ星域に輸送し、シャンタウ星域で新造・整備した武装モジュールを付けてアムリッツァ星域に戻すことを想定している。訓練航海にも丁度いいだろう。そんなことを考えていると、ノック音が響き、何の冗談か、後方部門のトップ、リューデリッツ上級大将が入室してきた。後方支援中心の功績で上級大将は本来難しいがイゼルローン要塞の完工の功績により昇進されている。

「閣下、お呼び頂ければオフィスに参ります。いくら婚約するとはいえ、階級を無視するような行動をとられては為になりません。お気遣
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