戦闘評価
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統合作戦本部。
自由惑星同盟軍の中でも、主要な部署に数えられ――即ち、宇宙艦隊司令部、後方作戦本部と並ぶ巨大な建物である。
その中でも、近年になって建て替えられた統合作戦本部は、三つの中で非常に大きく、そして奇麗であった。
デザインこそ、宇宙艦隊司令部には負けているかもしれない。
それは近年になってより一層厳しくなった予算的なの問題があったのかもしれない。
デザイン料という無駄な費用を――当然のことながら、しかし、自由惑星同盟では近年になって問題となっていたのだが――考えずに、実用性のみを考えた結果になっただけであった。
しかしながら、実用性と――そして、軍事的成功を政権の糧にする政治家の意見が一致した結果、生まれた建物は見栄えこそ悪いものの、非常に出来の良いつくりともいえる。
地上五十五階の最上階は、市民に開放された展望台となっており、九時から二十三時までは誰もが来ることができる。五十四階には統合作戦本部で勤務する同盟軍に向けて、格安の食事施設があり、酒場も備えつけられていた。
また、滅多に来ることはないが国防委員長やそれぞれの委員の個室があるフロア。
それは必要性を求めた結果、生まれた建物とも言えるかもしれない。
予算がまだ余っていた時代に建てられた宇宙艦隊司令部は酷いものだ。
採光を考えて作られた中央は吹き抜けとなっており、全ての部屋に風と光を提供している。だが、その分のスペースは減ることとなり、数少ない部屋数と狭い室内に何人もの人間が押し込められるように働くことになっているのだから。
見栄えか実用性か。
いつの時代も悩む問題を抱えながら、統合作戦本部は遠くにハイネセンを見るように、その存在を誇示していた。
+ + +
さて、その統合作戦本部には複数の会議室が備えられたフロアがある。
一つのフロアが丸々、複数の会議室で区切られた一見すれば無駄なフロアだ。
会議など、毎日あるわけでもない。
そんなに必要ないだろう。
知らぬ人からすれば、そう思う事かもしれない。
実際にそう考えられた宇宙艦隊司令部は、いまだに後悔をしている。
重要な会議とはいえずとも、部署ごとの小さな話し合い――あるいは、他の機関や会社との調整など、会議室は常に使われるものというのは、当時デザインを考えた者は気が付かなかったらしい。
あるいは、気が付いていたが、ただでも狭いのに会議室まで作れば、人があふれることになると思い、無視したのかもしれなかった。
そんな会議室用のフロア――その、小さな部屋の一室には、次々と人が入り始めていた。
わずか二十畳ほどの小会議室と呼ばれた部屋。
通常であれば、統合作戦本部の各部署が小さな会議に使われているが、その出入口に立つ
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