第7話 末路
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るなど出来た事ではない。彼らが連携して『 』を嵌めようとしているなら話は別だが────彼ら自身もまた、犬猿の仲だ。この世界では、基本的に他種族との連携という発想が抜けている。
では、連邦征服が外部の者の仕業か?────それもまた有り得ない。
いくらなんでも、エルキア連邦の実態を伏せられている他種族が一晩でエルキア連邦を切り崩せるはずがない。少なくとも、連邦加盟国の中の誰かが裏切りに加担した、あるいはさせられたのだ。
以上の事を踏まえ、これが出来る者がいるかと問えば────『誰も出来ない』が正解だ。
連邦加盟国は自主的な裏切りに走ってもこれ程早く征服に成功しない。だが、部外者は不透明な連邦の構造に手間取る為これもまた有り得ない。故に────こんな事が出来る者はいない。
だが実際に事は起きた。ならば誰かがやったのだ────そう考えた時、真っ先に浮かぶ犯人像は言わずもがなシグだ。
シグは最初に『 』とゲームをした。その際、シグは誰あろう『 』本人からある程度の情報を受け取ったのだ。それでもシグにとって連邦の制度は不透明だっただろうが────『 』に単独で迫る彼なら、不可能とも言いきれない。何より、シグは既にエルキア王城に乗り込んだ事がありその際に多数の加盟国の全権代理者を目にしている。連邦の構造がある程度分かる部外者で、かつ連邦内部の者に裏切り幇助を働きかけられた────可能性として、シグは真っ先に上がるクロなのだ。
証拠を残さずとも、それこそがシグが犯人である事を示している。故に、空と白は犯人がシグであると察せられたのだ。
だが、犯人が分かったからと言って状況が変わる訳では無い。シグがこうして名乗りを上げた以上、犯人を突き止めたことはほぼ無意味とさえ言える────空はそれを自覚しながら、だが努めて平静を装いシグを挑発した。
「おうシグ、誰の許可取って『連邦』に手を出した?」
「誰かの許可は取った。『十の盟約』がある以上、それは保証しよう」
空の挑み腰な言葉に、シグはだがまるで感情の抜け落ちたような声で答えた。何も映さない黒い暗い目で、『 』を睨みながら。
────?
空は違和感を覚えた。シグは────明らかにおかしい。
以前のシグにも違和感はあった。まるで、自己定義が曖昧であるかのような、何かを見失ってるかのような違和感。
だが今のシグには────そもそも自己と呼べる物|す《・
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