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英雄伝説〜灰の軌跡〜 閃V篇
外伝〜”特務支援課”リーダー、ロイド・バニングス〜
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〜同時刻・メンフィル帝国領・ユミル地方・ユミル山道〜

エステル達がクレア少佐達の戦闘が始まる少し前、クレア少佐達のようにクロスベルの領土であるルーレ市を始めとしたノルティア地方で諜報活動を行っていたエレボニアの軍人達の一部と合流してエレボニアへの撤退をしていたレクター少佐はメンフィル帝国の領土にして、リィンとエリゼの故郷である”温泉卿ユミル”へと続く山道を進んでいた。
「よし……やっぱりユミルの圏内に入っちまったらクロスベルの連中も俺達を追いかける事はできないみたいだな。」
殿を務めて背後を振りむいてクロスベル軍や警察、遊撃士達が追撃してこない事を確認したレクター少佐は安堵の溜息を吐いた。
「で、ですが少佐………本当に緊急の撤退ルートで、メンフィル帝国に無許可でメンフィル帝国領に入ってよかったのですか……?」
「それもよりにもよって、”七日戦役”の勃発の原因となったユミルに密入国をしたなんて事実、万が一メンフィルに知られれば、別の問題が発生すると思うのですが……」
一方軍人達は不安そうな表情でレクター少佐に指摘した。
「だから、メンフィルにバレないようにユミル地方をこっそり利用してアイゼンガルド連峰を抜けてノルドのゼンダー門に向かうんだよ。平時のユミルは他のメンフィル領と違って、メンフィル兵達を徘徊させていないどころか配置すらしていないからな。………まあ、当然郷の連中に気づかれないように、中腹あたりで山道を外れてそのまま郷からそれるルートを使う必要はあるがな。――――唯一の懸念はシュバルツァーの父親―――現シュバルツァー家当主であるシュバルツァー男爵が趣味の狩りをする為に頻繁に山を徘徊しているって情報があるから、幾ら郷から外れた所を歩いているからって、気を抜くなよ?――――それと間違っても、万が一シュバルツァー男爵を含めたユミルの関係者達と遭遇した場合、絶対に制圧行動を含めた攻撃行動に移ったりするなよ。」
「それは言われなくても理解していますが……」
「攻撃行動を禁ずるという事は威嚇射撃や閃光弾の使用もダメなのでしょうか?」
レクター少佐の念押しに軍人達はそれぞれ頷いている中一人の軍人がある事をレクター少佐に訊ねた。
「当たり前だ。もし何らかの要因で威嚇射撃のつもりが本当に命中しちまったり、閃光弾によって郷の関係者に傷が一つでもついてみろ。―――”七日戦役”が再勃発して、今度こそエレボニアはメンフィル――――いや、メンフィル・クロスベル連合に息の根を止められるぞ。メンフィルは例え死者が出なくても、民達に危害が加えられれば、その危害を加えた連中を絶対に許さず、その”報復”をする為に国と戦争する事すらも躊躇わない事は1年半前に貴族連合軍の連中が身を持って証明してくれただろうが。」
軍人の質問にレクター少佐は真剣な表情で頷いて忠告をし
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