猫娘と期末試験編
NO.066 ショッピングモール後の対応
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命を狙われてパニックも起こさずによく耐えてくれたと思っているよ。だから結果的だけど犠牲者はゼロで済んだんだからもっと元気よくやっていこうか」
「はい」
そして事情聴取は終了して、外に出てみればすっかり暗くなっていた。
さらに外で待っていた人物がいた。
その人物とはオールマイトだった。
オールマイトは塚内と出久の事を呼びながら近づいてきた。
その表情は心配の具合が高かった。
「オールマイト……なんで?」
「彼とは個人的に話すことがあってね。呼んでおいたんだ」
「そうなんですか」
「うむ。それより良かった。無事で何よりだ」
そう言いながらも出久の頭に手を置いて、
「すまなかったね。助けに行けずに……」
「いえ……」
そこで出久はある言葉を思い出す。
それは死柄木が有頂天のままで語っていた一言。
『ホントに、救えなかった人間などいなかったかのようにヘラヘラと笑ってるからなんだよなぁ!!』
その言葉が出久にはとても深く暗いものがあると感じられた。
逆恨みとも違う何かを感じられたのは、果たして……。
それで出久は思い切ってオールマイトに聞いてみることにした。
「あの……オールマイトも誰かを助けられなかったことってあるんですか……?」
オールマイトは出久のその質問に少し疑問を感じながらも答えた。
「……あるよ。今もこの世界のどこかで絶えず救いを求めている人が大勢いる。でも、私も人間だからね。すべてを救い出すというのは限界もある……。だけど、だからこそ笑うんだ。“正義の象徴”が絶えず人々の、ヒーロー達の、ヴィラン達の心を常に灯せるようにね」
それを聞いて出久もどこかで納得できる節があった。
だが、それは同時に平和の象徴が倒れてしまったらこの世界はどうなってしまうのかという、一途の不安もあった。
「彼女は死柄木の言葉を気にしている。多分逆恨みか何かなんだろうけど、オールマイトが災害現場に来て救えなかった人など今まで一人もいない……だから緑谷さんも深く考え込まないようにね」
「わかりました」
「うん。さて、それじゃそろそろお迎えだ」
警察署の扉が開いてそこには泣き顔の引子の姿があった。
引子は泣きながらも、
「もう嫌だよ出久ぅ……お母さん、心臓が破裂しちゃいそうだよ……」
「ごめんね。僕はこの通りなんともなかったから。だから……それにヒーローや警察の方々に守ってもらったから、泣かないでお母さん……」
そのまま出久は塚内の指示で部下の方に送ってもらったのであった。
それを見送った塚内とオールマイトは、
「それじゃ少し大事になりそうな話でもしようか」
「ああ」
「今回は本当に偶然の遭遇だっただろうから……そんなには大事にならなかったんだろう。だけ
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