暁 〜小説投稿サイト〜
戦国時代に転生したら春秋戦国時代だった件
第1章 春秋戦国時代〜不知而言不智、知而不言不忠〜
プロローグ
[1/3]

前書き [1] 最後 [2]次話
「あの政が、まさか皇帝になるとはな。いわゆる始皇帝ってやつかな」

「おお、わが友、田忠いや、義心よ。始皇帝とはよい呼び名だな。余は、これより始皇帝と名乗ると致そう」

「せっかく中華を統一したんだ。これからが大変だぞ、始皇帝さん」

「うむ、責任は重いが任せておけ。無論、お主にも手伝ってもらうぞ」

「もちろんだ。お前さんだけに重責を押し付けないさ」


 咸陽の巨大な宮殿の豪華な部屋で酒を飲みかわす。それも二人だけで。目の前には偉大な王がいた。
 中華を統一した政、始皇帝とため口をたたく自分が、いまでも不思議で、現実感がない。


(うーん、始皇帝って歴史の授業で習ったような気がするんだよね)


 普通なら、タイムスリップを疑うところだろう。だが、俺は違うと断定できる。


「ははは、余を口説くつもりかな」


 上機嫌に笑う、妙齢の女性。そう、始皇帝こと政は女性なのだ。
 だから、中華風ファンタジー世界に俺は生まれたのだろう。


 これまで色々あったよな。親友である政と出会ってからも激動の人生だったが、それまでにもいろいろあった。
 政には、孤児の自分を拾った僧侶によって、育てられたとしか言っていない。
 俺の最大の秘密は、たとえ政にでも打ち明けることはできない。


 俺、転生者なんだよね。




「オギャア、オギャア」


 赤ん坊の泣き声が響く。土で固められた道の上に、無造作に置かれていた。周囲に人影はない。

 
(どうしてこうなったんだ……)


 さきほどからずっと考えている。思考はぐるぐる回るが、どうしようもない。
 なぜなら、俺は生まれたての赤ん坊なのだから。
 耳障りな泣き声も、俺のものだ。


(神様、話がちがいますよ!)


 俺の名前は、田中心。つい先ほどまで、高校生だったが車にひかれて死亡した。
 その後、神さまっぽい存在に会って、転生しろと言われた。
 チートを3つまで貰えると言われたら、喜んで転生するだろ。


 で、生まれたあと、すぐに捨てられた。
 理由は、俺が銀髪オッドアイだったから。両親のどちらにも似ていない。
 不義を疑われることを恐れた母によって、俺は捨てられた。


(神の罠か、それとも自業自得なのか)


 生後数時間で、転生生活が終わるなんて、あり得ないだろ!
 そりゃ、チートで容姿を指定したのは俺だし、生まれる年代を選べるというから、好きに選んだのだけれども。
 今は戦国時代のはずだから、迷信が蔓延っているし、命の値段が現代よりも価格崩壊している。
 正直、俺が助かる見込みはないだろう。


 グッバイ、俺の二度目の人生。


「―――――?」
前書き [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ