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天使のような子に恋をした
天使のような子に看病してもらった
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ければ。親は……まあどうせ起きてこないのを不思議に思って部屋に来るだろうから後回し。

 あっ、そうだ──待たせてるといえば、それはことりにも当てはまる。毎日俺の家の前で待っているし、ことりにも連絡しないといけない。朝から電話を掛けるのは気が引けるけど、この際仕方が無い。

 RIMEの無料通話のところをタップし、電話を掛ける。まだ寝てるかな、朝の支度で忙しいかなとか思っていたけど、意外にも1コールで出てくれた。

「もしもし。おはよう蒼矢くん。朝からどうしたの?」

 全身に鳥肌が走った。朝イチで好きな人の声を聞ける。それだけで幸せな気持ちになる。しかも、“蒼矢くん”って名前で呼んでくれたし。

 って、今はそうじゃないんだった。

「おはよう。朝早くごめん。悪いけど、今日学校休むから。いつものように待ってなくていいよ」

「あ、うん、分かったけど……何かあったの?」

「あー……実は風邪引いちゃってさ」

「えっ、ほんと!? 大丈夫?」

 電話越しでも、ことりが心配しているということが分かる。心配を掛けて申し訳ないという気持ちと、反対に心配されて嬉しいという気持ち。本当に優しいな、ことりは。

「今はちょっと辛いけど、寝てれば治るだろうからさ。今日は一日寝てるよ」

「それがいいと思う。うん、分かった。お大事にね」

「ありがとう。じゃあまた明日」

「うん、バイバイ」

 こうして、時間にして30秒ほどの電話が終わった。だけど、俺には30秒よりももっと長い時間、電話をしていたように感じた。

 ことりと電話をしたら、何だか気分が大分楽になった気がする。これはもしかしたら学校に行けるかもしれない。そう思って起き上がるけど、やはり強烈なだるさと眩暈が俺を襲った。

「やっぱりダメかぁ……」

 今日はやっぱり休むしかない。そう考えながら再びベッドに倒れ込む。そういえば、高校生になって学校を休むのは今日が初めてだ。今まで無遅刻、無欠席、無早退を貫いてきただけあって、風邪なんかが理由で学校を休まなければならないというのはちょっと悔しい。だけど、他の人に風邪を伝染す可能性を考えれば、こうして1日寝ているのが一番良いのかもしれない。

 あ、そうだ。翔真に連絡するのを忘れてた。とりあえず手短に、「風邪引いた、学校休む」とだけ送ろう。ことりとの対応の差が大きすぎるけど、まあ10年以上の付き合いの親友にはこれが普通だろう。……多分。

「珍しいな、了解。帰りにお見舞い行くわ」

 ……優しすぎて泣きそう。適当に考えていたさっきまでの俺をぶん殴ってやりたい。うん、親しき仲にも礼儀ありってこのことだな。しっかりとこの身に刻み込んだ。

「ごめんな、わざわざありがとう」

「いいっ
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