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提督はBarにいる。
提督の居ない日常・その3
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 お昼休憩が終われば、午後の執務に追われる。特に、午後は遠征部隊の帰還や演習に来た他の鎮守府の艦娘への対応があったりと、午前中に増して忙しい。

「そういえば、提督は何故日本本土へ向かったのだ?あれほど嫌がっていたのに」

「招集の勅令が出たみたいですよ?何でも一大事だとかで」

 普通の戦果報告会議だとか、行かなくても何とかなりそうな物には、提督は極力出席しようとしない。南方海域、西方海域、南西諸島海域の玄関口であるブルネイの守りを疎かに出来ない……という建前の下、面倒臭い会議に出たくない為です。しかしそこは提督も軍人ですから、統帥権を持つ総理の呼び出しでは動かざるを得ません。

「でもさぁ、強制の呼び出しなんて滅多にないヨー?」

「確かに、妙ではありますけど……」

「提督、護衛艦隊ただ今戻りました……って、あら?」

「おかえりなさい雲龍さん。残念ながら提督は居ませんよ〜」

 提督が呼び出された理由はなんぞや?という会話をしていた所に、今この状況で最も帰ってきて欲しくない娘が帰ってきてしまいました。提督への攻勢激しい空母の中でも一番の過激派と言っていい雲龍さんです。着任当初からそのボンヤリとした性格といつも眠そうな表情なのに、提督に一目惚れしたと公言して必要以上にかつ執拗に提督に密着して、当時の『嫁艦連合』全員に〆られたにも関わらず、態度を改めなかったというある意味剛の者です。そんな人が護衛任務で1週間も提督から引き離されて、早く会いたいとルンルン気分で帰ってきたら提督が居ない。そりゃあ私の目の前の彼女のように、あからさまに不機嫌にもなるでしょうね。

「それで?私の提督はどこに?」

「いつからdarlingはアナタの者になったデスか色ボケチャイナ」

 いつものぽやんとした顔で尋ねて来る雲龍さんに、あからさまに敵意剥き出しのジト目で応える金剛さん。着任当初の暴走気味の雲龍さんに一番敵意を向けたのは何を隠そう金剛さんでした。まぁ、当然と言えば当然ですけど。

「あら?私もあの人の嫁ですが」

「それはカッコカリでしょう!?私はちゃんとしたdarlingのwifeデース!」

「でも、私が2号さんのポジションでもいいんでしょう?」

 2号さん、要するにお妾さんの事ですね。提督は違うとは言っていますが、端から見れば金剛さん以外の嫁艦は皆お妾さんのように見えます(勿論、他の方と結婚してる人は別ですが)。事実、金剛さんもそこは鎮守府のルールとして認めている部分なので言い返せず、ぐぬぬと唸っています。

「しかし、報告書も持たずに執務室に直行してきたという事は、何か緊急の用件があったのではないのか雲龍?」

 アークさん、ナイスアシストです!この面倒臭い状況で話題を変える為に斬り込める貴
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