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ロボスの娘で行ってみよう!
第57話 ヴァンフリート星域会戦 中編
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「閣下、このままでは、全滅か降伏かを選ぶしか有りません」
シュターデン少将が真っ青な顔をしながらミュッケンベルガーに意見を述べる。
「栄光有る帝国軍宇宙艦隊司令長官が降伏はできんな」

ミュッケンベルガーの答えに、艦橋の全員が息を呑む。
「では、玉砕を・・・・」
グライフス総参謀長が呟いた声が妙に艦橋に響いたのである。

「そうは言わん、傷ついた艦を内側にして紡錘陣形を取り、敵艦隊の攻撃が尤も弱い天底方向の第8艦隊の包囲網を突き崩すのだ!先鋒はシュトラウスに任せる」
その言葉に艦橋の全員が動き出す。

「シュトラウス提督出ます」
窶れきりながら指揮を取っていたと思えるほど目に熊の出来たシュトラウス提督がスクリーンに映し出される。
『総司令官閣下、お話とは?』

「此より戦場から離脱する、其処で卿に頼みがある」
ミュッケンベルガーの言葉を聞き殿を任されるモノと考えた、シュトラウスは殿での死を決意したが、話は真反対な事であった。

「卿には先鋒を任せたい」
困惑しながら殿をどうするかを聴く。
『では、殿はどうなさるのですか?』

ミュッケンベルガーはその巌のような顔を真顔にしながら話した。
「儂が殿を勤める」
『それでは、閣下の』

「言わずと判るが、儂とて戦場に出て幾星霜、そう簡単にはやられんよ、それに殿が危険とは限らん。卿の威力で敵が四散して悠々と帰還できるかもしれん」
そう話す、ミュッケンベルガーの顔は菩薩のような穏やかな顔であったと、
後に生き残った兵の話である。

シュトラウス提督はミュッケンベルガー元帥の覚悟を知り、通信が切れた後も最敬礼をし続けていた。

シュトラウスの残存艦隊が先鋒となり第8艦隊に次々に突き刺さっていく。
「撃って撃って撃ちまくれ!」
その攻撃にアップルトンが怯む隙を狙い艦隊が次々に突破していく、
第8艦隊旗艦クリシュナは機関部に被弾し航行不能で漂流を始める始末である。

「機関部被弾、速度を保てません!」
「此処までか!」
「後退せよ!」

その隙に帝国艦隊の残存1万4000隻程が、包囲網を突破し逃げ続ける。
その後ヴァンフリート星系外縁に達し、其処で急行してきたラインハルトの分艦隊と遭遇した。

ラインハルトとシュトラウスは通信を交わす。
『ミュッケンベルガー元帥に火急にご報告が、ヴァンフリート星系自体が叛乱軍の壮大な罠の可能性が』
その言葉を聞いた、シュトラウス提督は顔を顰めた。

「その言葉、6時間前に聴きたかった」
『では、艦隊は?』
「此が艦隊かもしれん」

シュトラウスは、突破後に旗艦ヴィルヘルミナのIFFが全く感じられない状態であり、包囲が閉じた事でミュッケンベルガーの死を確信していた。

『これだけ・
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