暁 〜小説投稿サイト〜
天体の観測者 - 凍結 -
もうこの世界 本当に駄目みたいですね
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 駒王学園の旧校舎から飛び立ったウィスはリアス達を引き連れ、此度の騒動の元凶である下着泥棒の下へと向かった。

 白銀の光を纏い、宙を飛翔し、物凄い速度で下着泥棒が隠れ住んでいる場所へと向かう。

「それにしても下着泥棒が教会から出るとは世も末だな。」
「確かに…。」
「それを言われると元教会の関係者として頭が痛い。」
「すー、すー。」
「んにゃー。」

 ウィスの腕の中で眠るオーフィスと同じく小猫の腕の中で眠る黒歌。
 こんな状況でも彼女達は平常運転であった。

「だから今回、私が教会から派遣されたのよ!」
「…と言っても自分の下…、モガ…モガ。」
「わー、わー!?だからウィスさんは黙っていてください!?」
「あらあら、イリナさんは何をしているのですか?さり気なくウィスに抱き着くなんて?」

 ウィスの口を塞ごうと身を乗り出し、背中から抱き付いたイリナに対して朱乃は底冷えするような笑みを浮かべる。

「はわわわ、朱乃さん、怖いですぅぅぅ……。」
「ああ主よ、下着泥棒をしてしまった者をお救いください。」
「祈ると頭痛がするから止めような、アーシア。」
「これを利用すればかなりの交通費の削減になるのでは?いえ、しかし……」

 それにしても面倒くさい。
 ウィスはそう切実に思う。

 何故自分が下着泥棒の探索に出向かなければならないのだろうか。
 いっそのこと下着泥棒が潜む隠れ家ごと吹き飛ばしてしまえばいいのではないか、とウィスは危険な思考に走る。

「…あそこだ。」

 そして遂にウィス達は下着泥棒が隠れ住む場所へと降り立った。







▽△▽△▽△▽△







「違う…、これも…」

「ああ、違う…!」

「何だ、この安物の下着は…!」

「おお、これは美しい!」

 深夜の駒王町のとある建物の一室で下着泥棒が下着と共に戯れていた。
 何故か下着と共にビーカーやフラスコが置かれている。

いや、何に使うの?

 怪しげな光を放つ実験室の扉の隅に隠れながらウィスは惨状と化している眼前の光景に目を疑う。
 地面には何か不可思議な術式が描かれていることも拍車をかけていた。

「あれが伝説の賢者か?」
「ええ、そうよ。」

 ゼノヴィアの問いにイリナが答える。 

「あれ全部盗んだ下着なのかよ…。」
「一体あれで何をするつもりなのでしょう。」
「恐らく下着で何かを錬成するつもりよ。」

 真剣な表情でリアスが推測する。

「いや、何をだよ…。」

 ウィスはこめかみを抑え、嘆息する。
 全くもって理解できない。

「おお、この下着は素晴らしい!」
「あ…、あれは…!?」
「あれはイリナの…
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