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ロボスの娘で行ってみよう!
第35話 カウンターパンチ
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議長が提案するかもしれないのだよ」

「何だって、軍令を無視して直接サンフォードへ持って行ったのか、
軍部の規律はどうなっているんだ!」
「お恥ずかしい限りだが、そのフォーク中尉は後方勤務本部所属でな」

「ん?可笑しいじゃないか、作戦は統合作戦本部がメインで作るはずだ」
「そうだよ、勝手に作って勝手に持って行ったわけだ」
「どうなって居るんだ、同盟軍は!」

「元々自意識過剰で似非天才を自称していたからな、作戦課に配属されないことに強い憤りを感じていたようだ」
「それで私案をサンフォードへ持って行ったか、ある意味正しい判断だな。奴は焦っているからな」

「本部長、それで今イゼルローンを攻めて勝てるのかね?」
今まで黙っていたホアンが質問してきた。
「理論的には勝てるが、事実上で負ける」

「どう言う事ですかな?」
「その辺りはヤン中佐に説明させよう」

「ヤン中佐です。イゼルローン要塞は現在修理中です、その為に防御が著しい弱体化をもたらされています。そこを狙えば占領は可能ですが。敵も馬鹿ではありません。要塞修理完了まで数万隻の艦隊を回廊に遊弋させている状態です。その為同盟の予定参加戦力六万隻ではどうやっても勝てません」

「それなら艦隊数を増やせばいいのでは?」
「我々が増やすと敵も増やします。その結果十二個艦隊対十八個艦隊になりかねません」
「うむ、単なる消耗戦になるわけだ」

「そうなります」
「しかし、それだけでは反対票を集めるのは難しいぞ」
「流石レベロだな、そこまで判ったか」

「ふん、腐れ縁のお前だから、判るようなもんだ」
「支持率のUPを囁かれたら、攻撃賛成に回る議員も増えるとおもいますが」
「そこでです。策があります」

「策とは?」
「帝国は現在イゼルローン要塞修理を行って居ます。
その間には同盟に攻めて欲しくない、その心理を使います」

「具体的には?」
「捕虜交換です」
「捕虜交換か」
「しかし、帝国は捕虜は犯罪者同然だ、交換に応じるとは思えんが」

「いえ、エル・ファシルで捕虜にした貴族の釈放も行うのです。
そうすれば親族からの圧力で応じざるを得なくなります」
「確かにそうなる可能性は高いな」

「イゼルローン要塞へ来て欲しくないなら捕虜交換で同盟の関心を散らそうと考える者が出てくるはずです」
「なるほどな、捕虜が帰ってくれば、戦争するより支持率は遙かに上がる訳か」

「そうです。財政的にも人的にも政治的にもプラスになるわけです」
「なるほど。エル・ファシルの英雄が言えば市民も納得するという考えだな」
「つまり。我々が仲間を増やして、サンフォードを孤立させれば良いわけだね」

「おいおい、ホアン、未だ決めた訳じゃないぞ」

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